秋のビデオまつり「BLACK FOX Age of the Ninja」「K-20 怪人二十面相・伝」

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台湾のホラー映画。いや、怪物映画かな。最初の方を集中して見なかったのであやふやだが、呪術師に蟲を入れられて喰人鬼になってしまった姉妹。高校生の5人組がその妹を捕まえて監禁する(ポスターの図)。5人組といってもいじめっこ4人といじめられっ子の主人公。ほとんど不死身の喰人鬼の妹を、5人は殴る、蹴る、刺すのやりたい放題。妹の行方を捜す姉によって、クラスの生徒がつぎつぎと血祭りになる。仲間の一人が殺されたことで姉への復讐を決意した4人、カタストロフに向かって進んでいく...結論からいうと救いのない映画。5人が悪すぎる。主人公だって善人ではない。喰人鬼より高校生たちの悪さの方が気味が悪いくらいだ。これに比べたら「悪の教典」とか「バトルロワイヤル」なんか生ぬるい。こんな問題作を作れる台湾の映画界がすごい。

 

   f:id:M14:20191008224459j:plain 1,900円

ウルトラマンジードの山本千尋主演、監督はあの坂本監督。公開を楽しみにしていたのにいきなりAmazonビデオに出てきたよ。調べると劇場公開はなくて、東映時代劇チャンネルをはじめネット配信とDVDの販売だけみたいだ。「BRAVE STORM」のレポで日本がハリウッドみたいなアクション映画を作るのは無理なので、やはりチャンバラ映画なのではないかと書いたが、まさにこれ。いやはや、すごい。ライダーやウルトラマンの監督がその経験とノウハウを生かしてチャンバラ映画を作るとこうなるのか。なにか国産アクション映画に光明を見たよ。主人公の山本千尋はヒロインかというとちょっと違っていて、生物学的に女であるだけであとは男なんだよね。その主人公が守るヒロインがこの人。

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あらやだ、可愛い。元ハロプロ矢島舞美さん。ハロプロってたまにこういう逸材がいるから油断ならねえよ。坂本監督といえば美女とシャワーシーンだろ。山本千尋の筋肉質のシャワーを見てもつまらないので、シャワーは矢島さんかと思ったら今回はおあずけだったよ。ちぇっ。そもそも江戸時代にシャワーはねえだろ。じゃあ、井戸端で水浴びならもっと良い。次回作につづくラストだったので期待してるぞ。

 

   f:id:M14:20191008224446j:plain 1,900円

タイトルからしてB級映画と思って見始めたら主演が金城武、共演が松たか子仲村トオル國村隼高島礼子、なにこの豪華な出演者は。これちゃんとした映画だったのか。いま画像を見たら映画のポスターではなくて公式ガイドブックだった。こんなのが存在するくらいだから全国公開の映画だったんだね。舞台設定が変わってる。第二次世界大戦も太平洋戦争も参戦国の講和条約終結した、ちょっと違う世界。なので、日本の軍隊は解散されず、戦前の体制がそのまま続き、文化やライフスタイルも戦前がそのまま続いている。その東京の街を主人公と怪人二十面相パルクールで疾走する。さらに腕に付けた装置から発射されるワイヤーでビルとビルのあいだを飛び回る。立体起動装置だな。これもある種の時代劇なんだよね。昭和20年代の時代劇。そこに実際には存在しなかったガジェットを持ち込んで不可能を可能にする。舞台が現代だと嘘っぽいのだが、並行世界みたいなものなので。そう、ここでないどこか、いまでないいつか。宮崎駿の世界観と同じなんだな。でもこれが広くウケたなら続編が作られているはずだから喝采したのは私だけなのか...