残暑の映画まつり「ヒキタさんご懐妊です」「蜜蜂と遠雷」

10月になったのにまだ残暑だよ。明日は30度超えだってよ。

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結論から言うと、この映画は北川景子松重豊のファン以外にはつらい映画だよ。とは言っても、映画の出来は悪くない。よくこれだけのテーマで2時間を保たせた。49才の夫が子どもを作るまでの話なので、そう大きな事件が起きるわけではない。それなのに冗長な感じもなく、中だるみもしないで最後まで引っ張った脚本と演出は立派。作家のヒキタさんの編集担当である濱田岳も良かった。さて映画だが、北川景子のファンには貴重な映画と言える。なにしろ、めったに見られない普通の人の役。ここまで普通の人って過去の作品であったかな。子どもができない原因が妻にはなく、ひとえに夫の年令。なのに人工授精とか名称は忘れちゃったけどなにかとか、治療の負担は妻の側にかかる。それを申し訳なく思う夫と、夫が気にしないように明るく振る舞う妻が胸に浸みるよ。

 

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観る気は無かったのだが、ヒキタさんと蜜蜂の間が3時間も空いているので調度良いのがこれしかなかった。しかし、なんで劇場版の長編アニメは時間SF物+セカイ系なんだよ。それならそれで映画向きの題材は国内外のSF小説でいろいろあるのにな。この映画、主役の男女の声が北村匠海浜辺美波膵臓コンビ。本職の声優にやらせろよと思ったが、この二人は意外とうまかった。たぶんこの二人が声をやっていることを知らなかったらわからなかったんじゃないかな。そう考えると、「MIB」のクソのような吹き替えが腹が立つ。

 

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実はヒキタさんよりこっちのが見たかったんだよね。恩田陸原作、世界への登竜門と言われるピアノコンクールに挑む3人の天才と1人の秀才(松坂)。松坂が苦労して苦労して到達した頂を3人の天才が軽々と超えてしまう残酷さ。男2人は、片方は高名な師がついて、片方は野生のカンで前進していく。対して松岡茉優演じる天才は悩んで苦しんで七転八倒。この映画、ピアノの演奏は当然吹き替えなんだけど、毎回ガチなのがすごい。松岡茉優が嫌いで無ければ見て損はないと思う。