7月に読んだ本

バビロンの秘文字(上) (中公文庫)

バビロンの秘文字(下) (中公文庫)

この本を読むのに半月以上かかっちまったぜい。おかげで7月はこれを上下で一冊と数えたらたった3冊の最低記録。主人公は世界を飛び回る戦場カメラマン。考古学を研究してる恋人がいる研究所が爆破され、そこから逃げ出す恋人を目撃する。彼女はまだ誰も解読ができていない石版ーバビロン文書を持ち出している。恋人の行方を追う主人公はバビロン文書をめぐる国際的な謀略に巻き込まれていく...日本でもこういうダイナミックな小説を書く作家が現れたかと思ったが、やはり欧米の作家に比べると薄っぺらい。登場人物の性格や行動原理の設定が甘いので読者が思い入れできない。とくに恋人*1をはじめキーになる人物が隠し事をしなければこの本は3分の1の長さで終わる。そこの必然性が感じられないのでだんだんイライラするという。いっそ、峰不二子的な存在にしてしまえば良かったのではないかと思った。

 

スタフ staph

ワゴン車で弁当の販売をする主人公の女性。ある日、若者の集団が乗り込んできて拉致される。彼らの目的に理解を示した主人公は、やたら鋭い同居中の甥っ子と一緒に彼らに協力する...けっこう無理がある設定なのだがそれなりに読ませてしまうのは作者の筆力。ラストで二転三転し物語の様相が変わり最後にたどり着いた真実。それが...ありえねえ~

 

パリ行ったことないの (集英社文庫)

いまの人生に疑問や行き詰まりを感じる20代から70代の女性。いろいろ考えた末に出た結論、そうだパリに行こう...そうか、これはいろいろな境遇の女性たちがパリに行き、最終章で一同に会するタイプの連作だ。残念なのが、一つの話が短い。よって、最終章に行くまでに10人以上の女性が出てくる。それが最後に集まっても誰が誰だったかもう覚えてないよ。

*1:名前が里香ww