6月に読んだ本

なぜ、男子は突然、草食化したのか 統計データが解き明かす日本の変化

帯に書かれているような巷の流説について、それを実証できるようなデータを探し出す。つぎにそのデータと相関がありそうなデータを探し仮説を立てる。あくまでも統計の本なのでその相関が正しいのかを証明するとか、相関の中から因果を探り当てる本ではない。ただ、「草食化」とか「キレイになった」と定性的な問題を無理矢理にでも定量的に置き換える手法は参考になった。

 

連続殺人鬼カエル男ふたたび (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)

前作の続編。完璧な続編なので内容を忘れているといまいち楽しめない。巻末に載っている前作の人物相関図は参考になった。登場人物が少ないので犯人が想像できてしまうのが難点。

 

出版禁止 死刑囚の歌

幼児二人を殺した罪で死刑になった男。だが動機がまったくわからない...主人公が調査を進めると横溝正史ばりの血の因縁。Amazonのレビューが全員★5つになっているがこれはほめすぎ。

 

木曜日の子ども

ほのぼの系の著者がたまに書くシリアス系の物語。これはイヤな話だな。後半はどんどん息苦しくなる。子どもと大人の対決。子どもの武器は自分の命。追い詰められる父親。だが、相手のルールに乗るのを止めてしまえば逆転できるのではないかと思ったが、実際にそういう話だった。

 

新鮮 THE どんでん返し (双葉文庫)

どんでん返しをテーマにしたアンソロジーのたしか4冊目。さすがに集めた作者が小物で内容も小品。

 

蜘蛛 (ふしぎ文学館)

遠藤周作の怪奇短編集。怖くはないがさすが小説としての格調が高い。寝る前に少しずつ読もうと思ったら2段組の小さな活字。お得感はあるのだが薄暗いところでは老眼につらい。

 

拝み屋怪談 壊れた母様の家〈陰〉 (角川ホラー文庫)

これは「花嫁の家」の続編かい! しかも前編。しかたないので「花嫁の家」を読み返している。ホラー小説としてのクオリティはかなり高い。