ブラックリストとホワイトリスト

例の事件以来、再びスポットが当たっている「引きこもり」。テレビの特集を記事にしたものらしいがこんなのがあった。*1

身内が“引きこもり”に…その時、家族はどうすべきか?専門家に聞いてみた

誰もが直面する可能性のある“引きこもり問題”。
直面した場合に、家族はどのように対応するべきなのだろうか?

 これはぜひ知っておきたい。三軒家万智のように100才まで引きこもれる場所を用意できればいいが、ふつうの家庭はなかなか難しい。そこで

(1)引きこもりという自覚のない人に「引きこもり」と言う
(2)自覚のある人に引きこもっていることを悪く言う
(3)「働け」と言う
(4)成果を求める
   →価値観の強要はしてはいけない。

 あの...たとえば風邪を引いたらどうすればいいかを専門家に聞いたら

(1) 人混みに行ってはいけない
(2) 薄着で外出してはいけない
(3) 夜更かしをしてはいけない
(4) スナック菓子ばかり食べてはいけない

と答えが返ってきたら「はあ???」ってならないか? 欲しいのはこういう答えではないか?

(1) 人混みに出るときはマスクをする
(2) 暖かい服装をする
(3) 睡眠を十分に取る
(4) 栄養のある食べ物を腹八分目

してはいけないことだけじゃなくて、した方が良いことを教えてよと。記事のうしろの方にすべきことが書いてある。

当事者が変わるのではなく、まず家族が変われ

それで子どもがまた社会に出られるようになるなら、家族はがんばるんじゃないか? でも違うだろ、それだけじゃダメだろ。たとえば学校に行かない子どもなら家族の接し方しだいで、また子どもが学校に行くようになると思う。子どもだから、学校だから。多少は捻れても、もとの状態に戻ろうとする復元力が子どもにはあるでしょ。しかも学校に行って机に座ってればいい。もちろん、いじめとか先生に問題があるなら、それを解決できている場合な。でもこの記事は(3)で「働けと言ってはいけない」って書いてあるから、この記事が対象にしているのは大人の引きこもりだろ。学校よりはるかにハードルが高いよ。職を探して、仕事を覚えて、職場の人と最低限のコミュニケーションを取って、ノルマを達成して...「息子さんが社会に出られると本当に思ってますか?(=あきらめなさい)」と問いかけた三軒家万智のがはるかに現実的だ。「当事者が変わるのではなく、まず家族が変われ」って決め台詞をいったつもりになっているこんな自称ジャーナリスト、害でしかないと思う。