「国民的」という言葉は嫌いだが国民的

社内のコンテストがあって、私は運営メンバーの一人になっている。男女6人ずつの全国の代表が集まる決勝戦が近々あるのだが、登壇するときに司会者がその人のプロフィールを読み上げることになっている。だがそういうのを本人に書かせると、ただでさえ日常の業務をしながら決勝戦のための準備をしているときに余分な手間をかけさせたくない。さらに本人だと12人がほとんど同じ内容になると思う。出身地、趣味、座右の銘、決勝戦の意気込み。時間にして15秒、文字数で80~90文字くらいなのでほとんど一緒だろう。さらにまったく使えないものが返ってきたとき、やり直す時間が無い。そこで全員にアンケートを送り、「全部に回答しなくていいので、すぐに書けるものだけ書いて返送してください」とした。質問もすぐにイメージできるように「最近、うれしかったこと」、「つらいときに自分にかける言葉」、「好きな物・こと」、「審査員にアピールしたいこと」など。「趣味」と聞かれると構えてしまうが「好きな物・こと」なら「ラーメン」とか「家でごろごろすること」と、すぐに答えられるしその方が面白い。「座右の銘」だと「千里の道も一歩から」ばかり返ってきそうだが、「つらいときに自分にかける言葉」だとその人の人となりがわかる回答になりそう。全部で10問くらいあるが、その中で2、3個だけ使えるものがあれば80字くらいの作文が書ける。狙いが当たってけっこう面白い回答が来て、12人全員を違ったテイストで紹介する作文ができた。

その中で20代後半の女性が「好きな物・こと・・・北川景子が好きです」。好きなタレントを聞いているわけではない。しかも回答したのは女性。へええ、どういう方向性で好きなのだろう。北川景子みたいになりたいのか、北川景子の出演作品が好きなのか、メイクやファッションが好きなのか、じっくり聞いてみたいが本人とはまったく面識がない。あとは30代の既婚女性が「日々の業務で心がけていること・・・北川景子の『家売るオンナの逆襲』が好きで、『私に売れない○○はない!』と自分に言い聞かせている」だって。6人の女性の中で2人、つまり3分の1が北川景子関連とは。べつに私の会社は北川景子をCMで使っているわけではないよ。むしろ北川景子を過去に使ったのはライバルの会社だ。何度か書いているが10年以上前から北川景子をウォッチしていると、北川景子がどのくらい有名なのか、お茶の間に浸透しているのか逆にわからない。日本人の3分の1が北川景子のファンだとは思えないが、同性に人気があるのは素晴らしいことだよね。意外なところで北川景子の名前を見てびっくりした冬の午後であった。