新年ビデオまつり「LOVE MY LIFE」「RE:BORN」

異色の映画を3本。

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<1,500円>主人公は母を亡くし翻訳家の父親と二人暮らしの女子大生(吉井怜)。彼女には同性の恋人(今宿麻美)がいる。好きな人ができたら家に連れてきなさいという父親の言葉どおり、彼女はカノジョを父親に紹介する。一瞬ビビったがカノジョと打ち解けた父親。翌日、彼女とカノジョに理解を示してくれた父親にお礼を言うと「じつはパパはゲイで、ママはレズだったんだ。親友ではあるが愛し合ってはいない。でも子どもが欲しかったので結婚した」と打ち明けられる...主人公の大学での親友はゲイの学生(ブレイク前の高橋一生)。ゲイとレズは愛に発展しないの固い友情が芽生える。難しい生き方を選んでしまった、選ばざるを得なかった人たちの物語。彼らはわざわざ大勢の前でカミングアウトすることもしないが、自分の生きづらさに悩むこともなく、権利を主張することもない。2006年の映画だが、LGBTを政治問題や憲法論議にしちゃう人に見て欲しい。ただラストはどうかな。途中に伏線がほとんどないのでいきなりファンタジーになってしまうように思う。

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<1,200円>「ビヨンド・ザ・トレック」って「スタートレック ビヨンド」のパクリだよね。原題は違うのに。あとポスターもスター・トレックのパクリだけど、この映画にこんなシーンは無い! そもそも宇宙船の中が舞台のSFスリラーで、ポスターのような活劇のシーンはない。これは配給会社の罪。遺伝子操作で作られた頭脳も体力も人類を凌駕した新人類の乗組員が、通信が途絶えた貨物船の調査に行く。そこにいたのは精神が破壊された乗組員1名と、アンドロイド一体だけだった。いったいここで何があったのか...遺伝子操作で完璧な人間を作ったらどうなるか、人間なみの頭脳を持ったアンドロイドを作ったらどうなるか、SFとして魅力的なテーマなのだが、語り切れてないのが残念。ラストに用意されている2回のどんでん返しもいまいちしっくりこない。悪くはないが残念な映画だった。

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<1,800円>ウルトラマンジードに出ていた長谷部瞳さんがツイッターで宣伝していた映画。長谷部さん自身はチョイ役だったが、女優さんはメイクですごく変わるんだな。予備知識がなければ本人とはわからなかったよ。敵にまったく気づかれずに背後に回り瞬殺する傭兵。彼はGHOSTと怖れられたがある出来事がきっかけで組織を壊滅させ逃亡し、幼い少女と二人でひっそりと暮らしている。その親玉が組織を再編成し、主人公を見つけ出した。彼の元につぎつぎと送られる刺客。そして娘が誘拐されてしまった...ストーリーの骨格はいまいち。その組織って何なのかとか、なぜ主人公への復讐をしたいかとはバックグランドは語られない。この映画の見所はそこではなく主人公の格闘シーン。従来の武闘映画ともヤクザ映画ともハリウッドアクションとも違う、独特の格闘。なんでも「零距離戦闘術」と呼ぶのだそうだが、超接近戦で戦うので火器は役に立たない。少女が監禁されている丘の上の基地の回りには200人の傭兵が配備されている。この格闘シーンの撮影は何日かかったのだろうという内容。その割にラストの盛り上げ方が残念。いつものことながら子役の演技がすごかった。