そろそろ冬のビデオまつり「アイアン・スカイ」「捜査官X」

      1,500円
アメリカが初めて月の裏側に探査船を着陸させると、そこには世界征服の機会を狙っているナチスの基地があった。彼らが地球の偵察に使うのが円盤形のロケット、これが目撃されたのがUFOな。月から地球まで飛ばす大砲を建設中だが、彼らが持っている第2次世界大戦当時のコンピュータだとロケットに積み込めないし、処理が遅くて計算と制御ができない。アメリカの宇宙飛行士が持っていたスマートフォンだとはるかに速いのでこれで完成だと思ったらバッテリー切れ。スマートフォンの調達に飛行船型の母船と円盤形の攻撃機を引き連れて地球に来た...クライマックスで大笑いの展開があって、結局、ナチスより現代の先進国のが悪党だったというオチ。ラストはとんだブラック展開。


      800円
原作は大岡昇平の有名な小説。たぶん2回目の映画化だと思うが、こちらはかなりの低予算映画。悲しいほどの低予算を映像に感じてしまうのだが、ほかの戦争映画が避けている描写に対して、この作品は徹底的なリアリズムを追求している。なにしろ南方戦線は戦闘で死んだ人より、病死や餓死の人数のが多かったと聞く。さらに機銃掃射されたらこうなっちゃうよな、死体を暑い島で放っておいたらこうなっちゃうよねと、そこだけリアル。この映画、原作のファンの人の目にはどう映ったのだろう。


      1,800円
台湾と中国の合作で、これは名作。1910年代、中国のある村に2人組の強盗が来て、村の男と争っているうちに一人はテーブルの角に頭をぶつけて、もう一人は池で溺れて死亡。村の男は強盗に対して防戦一方で強盗の自滅なのだが、この事件を調べていた金城武演じる捜査官は疑いを持つ。その男は武術の達人で争いを見ていた人にはわからないように二人を殺したのではないかと。としたら、妻と二人の子どもと静かに暮らしているこの男は何者なのかと...捜査官がよけいな疑いを持って捜査をするもんだから、その男だけでなく村人まで災難になる。最後はカンフーアクションになるが、香港のカンフーアクションが苦手な私でも楽しめる極上の出来になっている。金城武、最後の最後で見せ場がある。私は吹き替え版で見たが金城武の声は本人ではなく声優。この声優が金城武の喋り方の特徴を上手に再現し、しかも本人よりセリフが上手。


      500円
ポスターには「謎の怪物が大量発生! 世界を守り平和を取り戻せ!!」と書いてあるが大嘘。主人公の高校生は弟と一緒にお母さんを探しにいっただけだもん。また怪物もそれほどウジャウジャいるわけではなく、たしかに素早いが基本は陸を走る人間大の魚なので武器があれば勝てそう。それでも最後まで物語が緊張感を保っているのが、主人公がすごくヘタレ。弟は冷静で勇敢なのに兄さんがヘタレで重要な場面で悪い判断をするのでどんどん窮地になる。かなりイライラするよ。