9月に読んだ本

9月といえば太田裕美の「九月の雨」。

     

     セプテンバー レイン レイン 九月の雨が降りすぎて

     セプテンバー レイン レイン 各地の被害が甚大よ

     雨がこんなに辛いものなら 私ひとりで生きて行けない

後ろで踊っているのはキャンディーズ山口百恵桜田淳子、しばたはつみ。豪華すぎる。日本歌謡史上最強のバックダンサー。そっちに目が行っちゃうよ。MCは佐良直美な。

     

だから見るなといったのに: 九つの奇妙な物語 (新潮文庫nex)

だから見るなといったのに: 九つの奇妙な物語 (新潮文庫nex)

恩田陸北村薫小林泰三など豪華な執筆陣のホラー短編集。怖さやオチのひねりよりストーリー自体を楽しむ話。そこに混じってぜんぜん知らない作家がいるが、なかなかのクオリティ。


     

新聞やテレビでは大きく取り上げられなかった中堅企業の倒産のレポ。冒頭での筆者のメッセージが「成功話はほとんど参考にならない。成功するにはそこに書かれている話だけではなく、いろいろな要素が必要だからだ。だが、失敗は一つの要素だけで起こりえる」、なるほど。これを読むと事業を継続したり拡張するのはボトムアップでもできるが、縮小したり撤退するのはトップの判断でしかできない。


     

世界が赫(あか)に染まる日に

世界が赫(あか)に染まる日に

なぜかkindle版がいつまでも出ないので書籍で購入。従兄弟の少女が中学生たちに暴行されずっと意識不明。その復讐を誓った少年がたまたま知り合った少年と二人で組む。予行練習にひどいいじめをしている少年を探して二人で天罰を加えていく。その中で二人の心情に変化が生じ、救いようのないラストに向かっていく。読後感はけっして良くないが少年が書いている日記の違和感がラストのひねりに使われているのが救い。


     

コンサルを超える 問題解決と価値創造の全技法

コンサルを超える 問題解決と価値創造の全技法

マッキンゼーとボストンコンサルティングの二大巨頭の両方で勤めたことがある筆者が、両者を比較しながらまずはコンサルティングの定石の手法について解説する。その中で私の会社でも使われている手法がいくつもあって、「これは役に立たないのでマッキンゼーやボスコンでは使われていません」って、そうなのか! そのコンサルの手法でわかるもの、わからないもの、捨てられてしまう大切なものを説明した上で、あるべき姿を提示する。それが意外と「心が通うお付き合い」で、一周回って元に戻った感じ。


     

いま世界の哲学者が考えていること

いま世界の哲学者が考えていること

タイトルらしい話は第一章だけで、以降はIT、生命化学、地球環境など今日的な話題について哲学者はどう考えているか、提言しているかの話。そもそもガチの哲学者はそんなことに興味がないので。


     

事故物件怪談 恐い間取り

事故物件怪談 恐い間取り

事故物件に住むことを売りにしている事故物件芸人の筆者が体験した怖い話が前半。さすがにそれだけでは一冊にならないのでその中で不動産屋やアパートの住人から聞いた怖い話の実話怪談。筆者を見たことはないが、筆力はなかなかのもの。


     

石の記憶 (文春文庫)

石の記憶 (文春文庫)

SF、ホラー、伝奇、多岐にわたるジャンルの短編集。とくに中編の長さである日本書紀以前の伝奇SFは良かった。これは映画化できるのではないか? だが壮大な話なのでハリウッドか中国資本でないと無理か。


     

トラウマ映画館 (集英社文庫)

トラウマ映画館 (集英社文庫)

昔はテレビで頻繁に洋画をやってたよね。子どものころから映画好きだった筆者が、そのころに見てトラウマになった映画の紹介。といってもホラーやスプラッター映画ではなく悪意、人種差別、貧富などの人間のどうしようもない愚かさ、醜さを扱った映画。見たことがあるのは2本だけ。Amazonビデオにあるのが3本くらい。DVDが発売されていない映画もあり、筆者の博識、読者を飽きさせない筆力に脱帽。文庫本、Amazonで626円で売っているので興味がある方は是非。ただほとんどはDVD、中にはプレミア価格の中古でしか手に入らないので全部を見るには相当な散在が必要。