ツイッターを見ると、このドラマは「森友学園問題の印象操作」と書いている人が多いがテーマはそこに無いでしょ。そっちは言いたい人に任せて、私が驚いたのは
北川景子ってこんなに上手だっけ?
主人公は指定弁護士を引き受けたが、事務所が被告の弁護を行うことになり辞退をしなければならなくなった。引き受けたのも辞退したのも軽い気持ちだったが、担当の検事の話を聞いて迷う主人公。結局、事務所を辞めて指定弁護士になる決断をするのだが、そこまでの主人公の表情の変化が見事。
喜怒哀楽ではない、無表情に感情のエキスを一滴だけ垂らした顔って難しいよね。演出家も説明しようがないので役者が自分で考えて表情を作るしかない。「探偵の探偵」や「家売るオンナ」、「探偵はBARにいる」や「パンク侍」、どれも自分の信念や美学に基づいて目標まで迷わず一直線に進む人物だったので、揺れ動く心を表現する必要がなかった。エキセントリックな役ばかりをやりながらも北川景子は着実に進化を遂げていた。指定弁護士は弁護士でありながらも検事。「HERO」の最終回では事務官として傍聴席に座っていた北川景子が
法廷に立って被告を追い詰める姿に当時からのファンは胸が熱くなったはずだ。えなりの見せ場も最後にあったぞ。ここは泣けた。主人公は裁判に勝てなかった。被告にも必要悪的な理解での賛同や同情が集まり主人公が考えた正義は貫けなかった。