君はダ・カーポを知っているか?

日曜日、女房が突然に「結婚するって本当ですか?」を歌い出した。彼女の思考や行動を理解することはもう何十年も前にあきらめている。私も1番はいまでも歌えるが2番の歌詞が怪しかったので調べてみた。

  雨上がりの朝 届いた短い手紙

  ポストのそばには 赤いコスモス揺れていた

  結婚するって本当ですか

  机の写真は笑ってるだけ

  ほんの小さな出来事で

  別れて半年経ったけれど

  優しい頼りを待っていた 待っていた

  

  雨上がりの街 青い風が過ぎる

  花屋の店先の 赤い電話に立ち止まる

  結婚するって本当ですか

  あなたに寄り添うその人は

  白いエプロン似合うでしょうか

  もうすぐあなたは遠い人

  できたらあなたの胸の中 戻りたい

  

  結婚するって本当ですか

  いまでもあなたが好きだから

  心をこめて祈ります しあわせを

これは1974年の曲だが、最近の歌のストレートな歌詞に慣れた目で見るとすげえな。感情を表す言葉がまったく入っていない。代わりに「雨上がり」、「赤いコスモス揺れていた」、「机の写真は」、「青い風が過ぎる」、「赤い電話*1で立ち止まる」、「白いエプロン似合うでしょうか」が心象風景になっているわけだ。最後の方に「いまでもあなたが好きだから」と出てくるが、机に彼の写真が飾ってあることでいまでも彼のことが好きなこと、彼との別れが永遠の別れではなく、そう遠くないうちに仲直りできると思っていたことがわかるわけだ。白いエプロン似合うでしょうかは、その人はあなたに尽くしてくれる人でしょうか、もちろん私はそのつもりでしたと。もう文学になっているのだよなあ。でもJ-POPを聞き慣れた人だとまだるっこしいと思うかもしれないな。
ダ・カーポの二人が結婚したのは知っているが、もう60代後半だろう。検索をしたらいまでも現役だよ。HPを見ると、フルート奏者のお嬢さんと3人でコンサートをやることもあるらしい。お嬢さんの略歴を見ると音楽大学を卒業して、一流の奏者に師事して、さらにパリに留学している。もう私立の医学部に通わせる以上に金がかかっているよね。経済的に大変だったと思うなあ。動画はいろいろ探せるので興味がある方は見て欲しい。私より年上なのにいまでもまったく衰えてないよ。こうなるとダ・カーポと同じ男女のユニットで、その後に結婚をした「紙ふうせん」や「チェリッシュ」も気になるが、こちらもいまでも現役だ。夫婦であると同時に同業者、ふつうの夫婦以上にお互いがお互いを必要とする運命共同体、長続きするみたいだな。
ところで「結婚するって本当ですか?」の歌詞を読み、44年目にして気がついたことがある。別れて半年で新しい女性と結婚する彼。絶対に二股をかけてたよな...(泣)

*1:これは若い人はわからないか。公衆電話ね