春のビデオまつり

今回は1,800円、つまり「この映画は映画館で観たかった」という作品が3つもあるという黄金シーズン、遅れてきたゴールデンウィーク
      1,800円
ネットを見ると酷評している人も多いが私は1,800円。10年くらい前にシルベスター・スタローンで映画化されているが原作に忠実なのは本作らしい。治安が破綻してしまった近未来、警察も裁判所も追いつかないので犯人の逮捕−判決−処刑を一人で行えるエリート警察官の一人が主人公。犯人を逮捕したが、そこは悪の親分の本拠地である200階建ての超高層マンション。親分は出入り口をすべて封鎖してマンションを根城とする数千人の部下に主人公の抹殺を命じた。これはよくあるパターンだね。こんな大騒動になると思ってなかったので主人公は日常の武器しか携行していない。しかも相棒はまだ本採用されていない見習いの女性。さらに逮捕した犯人も引き連れている...ほんと、何度か見た「悪のマンション」パターンだが主人公が最後まで不利な戦いをするのが良い。あと、見習いの女性ジャッジがくそ可愛い。
     
ネットでこの女優さんの別の写真を見るとそうでもないんだよな。この髪型が彼女にあっているのだと思う。さらにいつも不安そうで泣きそうな表情なのも加算ポイント。皆さんは気づいたか? この人、白人には珍しい鼻だと思わないか? 北川景子の鼻と竹内結子の鼻を比べればわかる。白人は鼻の穴と穴の間の肉が薄い。よって鼻の高さと鼻の穴の大きさが比例する。この女優さんは東洋人のように穴の間の肉が厚いので穴が小さい。これって白人から見ると美的ポイントが高いのだろうか、低いのだろうか。


      10円
      10円
もう書くのも腹立たしい。とにかく「雑」。逃げる方も襲う方も雑。この手の映画って、一つだけありえない設定を作って(普通の人が殺人鬼になる麻薬、倫理観の無いモンスター)、あとはその世界観の中で論理的・合理的に話を進めなければ見る人は物語の中に入っていけない。


      1,000円
これは珍しいノルウェーの映画。津波の映画だが、ヨーロッパに地震は無いだろう。舞台は山に囲まれたカルデラ湖。その山が木も生えていない岩山なので岩壁の崩落があると巨大な岩のブロックが湖に落ちる。これが海ならどうってことないが、岩山に囲まれた湖なので一箇所だけ岩壁が無い湖畔の町があると、そこに水が集まり数十メートルの津波が起こる。現実に、これは数十年ごとに起こるらしい。そのためふだんから岩壁を観測し崩落を予知する期間があり、そのメンバーが主人公。設定は面白いのだがいかんせん低予算。津波のCGはよくできているのだがワンポイントすぎて、被害に遭った人の群像劇に仕上がる予算はなかったようだ。


      1,800円+α
これは映画館で観たかった。候補のリストには入っていたのだが地味な映画かと思って優先度が低かったのだよな。実際は登場人物がみんなちょっとおバカなミステリー仕立ての活劇映画。それだけなら過去にもあったが、この映画は映像がすごい。どのシーンのキャプチャーを撮っても一級の芸術作品になるくらいすべての映像に手間暇がかけられている。それを生かすのが、ロングでカメラは固定し、人物が左から現れて右に去って行く。カメラが人物を追わないでホテルの中を静止画で見せる。頻繁に場面転換がある舞台作品を見ているような感じかな。ホテルの中だけでなく、列車や冬山のシーンもいちいち凝っている。物語はハッピーエンドで終わるが、悲しすぎるエピローグが胸に浸みる。


      1,800円
昨年の公開だが、Amazonビデオの週末セールで100円だよ。なんて良い時代を生きているんだ。別の映画に行ったとき予告編は見たけどこういう話だとは思わなかったよ。予告編が下手すぎるだろ。北川景子が主演した映画や土屋太鳳の映画を観たとき「実話の罠」が存在すると思った。実話があって、それが本になり、テレビでドキュメンタリーがあって、最後に映画ができる。これが「西郷どん」みたいに100年以上前の話なら人物のどこにスポットライトを当てて、どういう切り口で見せるか、脚本や演出の創意工夫ができる。ところがその実話から10年も経ってないことだと、本人や、本人が亡くなる話なら遺族、その関係者はまだ生きているわけで、大きく話を変えると失礼になる。そもそも実話自体が感動的な話なので変える必要もない。そんでもって実話にそって2時間にまとめて映画にすると、物語として弱くなってしまう。本人の写真や映像で綴るテレビのドキュメンタリーで十分で、それを俳優がやると逆にインパクトが薄い。映画を観て「話はわかった。たしかに主人公は立派だ。で、君はこの話を通じて観客に何を訴えたかったの」という点が見えてこない。映画「ドリーム」に戻る。実はこの映画を観ても、なぜこの3人の女性がNASAの歴史に名前を刻むことになったのかはよくわからない。むしろその可能性を示すにとどめて、わずか数十年前までアメリカで行われていた黒人の差別、そしてそれを3人の女性がそれぞれの方法でブレイクスルーするまでを映画にしているのがこの作品のよくできたところだと思う。その歴史への反省が白人にはあると思うのだが、それを浜ちゃんに求められても困るよね。