北川景子「西郷どん」

みんな、大河ドラマは見たか? 今週も面白かったな。ペリー提督が将軍に接見する。大丈夫なのか、家定は?

  

  「幾久しく友好を保ちたいと大統領に述べるべし」

意外とちゃんと言えた殿。だがこれを連呼したのでバカだとばれちゃった。篤姫にちゃんと言えたことを報告に来る将軍。篤姫と何度も練習をしたそうだ。もう完全に殿の取り扱いに慣れた篤姫と参謀の幾島。

  

  家定「御台(篤姫のこと)、どうじゃ?」

  篤姫「うれしゅうございます」

  

  家定「御台が笑うと世もうれしく思う」

  

  篤姫「上様、そのように私のことを」

  家定「御台とも幾久しく友好を保ちたいものだ」

  篤姫「幾久しく友好を...」

  

  家定「御台とも幾久しく友好を保ちたいものだ」

  

  篤姫「上様、ありがたき幸せにござります」

  

幾島も一安心。完全にバカと心を通わせることができた篤姫。そうなのだ、バカにいろいろ言っても覚えられないので、ワンフレーズだけを何度も反復して覚えさせる。この「幾久しく」、イクヒサシクって語感が良い美しい言葉だよね。バカは気に入ると何度でも使う。薩摩の島津斉彬から次期将軍には一橋慶喜をと書状が江戸城に届く。だが、田舎大名が生意気なと完全に逆効果。大奥のラスボス、
  
ピン子も怒り心頭。どんだけ鼻の穴が大きいのかと。ピン子は大奥の総元締め。将軍を篤姫のところに行かせないようにしている。頭を抱える篤姫と参謀の幾島。だが将軍の方から篤姫に会いに来る。そこで篤姫が直訴。

  

  篤姫「お会いしとうございました」

  家定「世と御台は幾久しく友好じゃと申したであろう」

  篤姫「上様、幾久しく友好のためにお願いしたい義がございます」(この場合の「ぎ」がこれで良いか自信なし)

もうワンフレーズ作戦、効果的すぎ。まあ、そういうつもりで覚えさせたセリフではなかったが結果的に篤姫から家定へのキラーパスになった。実質的に夫婦の関係がない家定と篤姫なので、家定も篤姫への好意をどう表現して良いのかわからなかったのだろう。「友好」という言葉が見つかったことで篤姫への好意を再確認し伝えることができたのかもしれない。言葉は大事だ。このチャンスを逃してはならない。篤姫から家定へ次期将軍を一橋慶喜へと提案というか懇願する。だが「一橋は好かん!」と撃沈。そりゃそうだ、バカは二枚目が嫌いなのだ。「聞きとうない」と立ち去ろうとする家定。

  

  篤姫「お待ちください! 一橋様はこの国を守ってくださいます。この国の民も無事息災」

  家定「無事息災...」

  篤姫「はい、一橋様ならば無事息災」

  

  家定「姫もずっと息災でいられるということか?」

  篤姫「はい、上様も、この国のすべての民も」

  家定「息災のう...」

  篤姫「そのためには一橋様につぎの公方様になっていただかねばなりません」

わかったんだかわかってないんだか、いまいち手応えがない。なにしろバカだから。ここで大奥のラスボスのピン子が乗り込んでくる。もはやこれまでか。

  

  家定「一橋じゃ。世の継ぎは一橋じゃ」

なにをおっしゃいますと驚くピン子に「うるさい、決めたのじゃ」と去って行く家定。

  

  幾島「御台様、あっぱれでございます!」

ほんと、あっぱれな篤姫。ワンフレーズ作戦がここでも有効だった。今度は「無事息災」がヒットした。殿はこの国の民のことなんかどうでも良くて、姫が無事息災でいられることが良かったみたいだな。そもそも「国」とか「民」という概念を理解できているのか。ともかくワンフレーズ作戦でミッション成功! もうこんなの見せられたらこのドラマで北川景子を初めて見た爺さん婆さんだって北川景子を好きになっちゃうだろ。じゃあ、ここで高齢者のニーズが高い商品のCMに出てみようか。だがこのドラマ、この先は家定が死んで、島津斉彬が死んで、西郷が島流しになって、鬱々展開になるんだよね...