ウルトラマンジードが熱い

ラスボスである悪いウルトラマン、実はウルトラマンジードの父親であるウルトラマンベリアルが出てくる2話連続の16話と17話。作家・乙一が書くウルトラマンストーリーの異端と、ウルトラマン監督・坂本監督の演出の正統が絶妙に噛み合った傑作回だった。最終回でも良い内容。17話でこれだとこの先はどうなっちゃうの? 前後編だと前編は前振りでつまらないのが常だが16話だけでも十分に面白い。秘密組織・AIBの研究所に宇宙人が潜入した。って、AIBは愛崎モア以外は全員が異星人なんだけどな。リトルスター*1保持者の3人の子どもを母星に連れ去ろうとする宇宙人。愛崎モア(右)と鳥羽ライハ(左)も人質を取られているので手が出せない。

     

     モア「そんなことしたら...」

     

     モア「ライハが許さないよ!」

自分じゃないのかい! 素人の背中に隠れる秘密組織のエージェント。戦闘能力ゼロ。しかもエージェントのが15cm以上背が高いのがマヌケさを引き立てる。ライハ役をやっている山本千尋のアクションが半端ねえ。

     

     

動きが速すぎてキャプチャーがきれいに取れないが跳躍力がものすごい。まさに平成の志保美悦子。ラストはベリアルが出てきてジードとの対決、ウルトラの親子喧嘩になる。ウルトラマンジードは銀色に赤と線のウルトラマンカラー。ベリアルは黒字に赤い線の見るからに悪そうな色。二人が泥の上で戦ううちにジードがどんどん黒くなりベリアルと同じ色になっていく。
     
この先の展開を予想させる憎い演出。そして怪獣と合体したベリアルがジードを飲み込み去って行く。
     
ここまでが前編。後編はベリアルに飲み込まれたジードがどんどん同化されていく。ウルトラマンゼロが救出に行くが
     
ベリアル+怪獣+ジードのパワーにあえなく撃沈。ライハはウルトラマンキング*2に助けを求める。キングは宇宙を救うために蒸発というか拡散してしまったので実体が無い。
     
キングはライハの精神を、ウルトラマンジード=朝倉リクの精神に飛ばす。もうほとんど悪くなっているジード。
     
目が赤い。リクにライハが呼びかける。

     

     「忘れないで、仲間のことを。地球のことを。あなたの夢を。

      あなたは...みんなのヒーローなんだから」

この「ヒーロー」という言葉に反応するリク=ジード。リクが幼いときから好きだったテレビ番組のドンシャインを思い出す。
     
ヒーローショーに行ったが、参加料を払うのだか、何かを買わないと中に入れてもらえない。
     
会場の外で泣いているリク。
     
それに気づいたドンシャインが客をかきわけてリクのところに来る。

     

     「君の笑顔を取り戻すぜ。Here We Go!」

このドンシャイン、第1話から名前だけ出てきていたが第17話の伏線だったのかよ! 強いだけじゃヒーローじゃない。弱い者を助けるのが真のヒーローだ。リクは自分を取り戻しベリアルから分離する。もうこんな話、泣いてまうよ。でも着ぐるみの中のアルバイトのお兄さん、あとで叱られただろうな。金を払ってない子どもに話しかけるんじゃねえって。その先はベリアルとの対決。どんどんフォームを変えながら戦うのは坂本監督フォーマット。
     
     
     
     
最後のは後ろのビルの窓に姿が映っている凝った映像。
     
     
     
     
地上で応援する仲間たちと住民。ジードもウルトラマンゼロもいったん変身を解くと20時間は変身できないのでサラリーマンが応援。主人公は無職だが、この人は会社も家庭もあるので、会議をすっぽかしたり無断外泊をしたりつらい人生を送っている。やはりヒーローは大金持ちか無職に限る。最後はライハに宿ったウルトラマンキングのリトルスターを使ってすごいのに変わったぞ。
     
ゴージャスすぎて逆に強そうに見えないのだが...17話でここまでやっちゃったら最終回はどうなるの? ベリアルはあっさりやられちゃったので実はまだ生きているんだろうな。今回のまとめはこうなると思う。

     地球の危機を救ったのは、着ぐるみショーのバイトのお兄さんだった

*1:説明すると長くなるので、要するに未知のエネルギー源。ウルトラマンジードもこれでパワーアップする

*2:ウルトラマンたちから見ると祖父