小6国語

数日前の読書の感想文の記事で「犯罪を犯す」と書こうとして「あれ、待てよ」と思った。罪を犯すことが犯罪だろ。すると犯罪を犯すという表現はかぶってるよな。だが「てにをは辞典」を見ると「犯罪を犯す」という用例が載っている。国語辞典の「明鏡」を読んだら載ってたよ。載ってたんだけど、明鏡は会社の引き出しに入れてあって、家に置いてある「明解国語辞典」には載っていない。Web辞書大辞泉」にも載ってない。記憶を頼りに書いてみる。
  ボールを打つ / ホームランを打つ
  水を湧かす  / お湯を沸かす
  米を炊く   / ご飯を炊く
  地面を掘る  / 穴を掘る
前者は「対象」を現わす「を」。これはどの辞書にも載っている。後者の解説が載っていたのが「明鏡」。さすが無駄に厚くない。後者は「結果」を現わす「を」。バットでボールを打つことによってホームランになる。やかんで水を湧かすことによってお湯になる。炊飯器で米を炊くことによってご飯になる。スコップで地面を掘ることによって穴になる。後者は「を」の後ろをすべて「成す」にしても意味は通じる。その「成す」の動作を具体的にしたのが後者の用法であり、そのときに使うのが「を」。最初の「犯罪を犯す」は、人を刺すとか物を盗むという違法な行為を行なうことによって犯罪を成してしまう。そのときの成した行為が「犯す」なわけだ。ただ「お湯を沸かす」と言うと、「水を沸かしたんでしょ。水を湧かしてお湯になったんでしょ」と突っ込まれた記憶があるので、けっこう新しい用法とうか、なし崩し的に良しとなった用法かもしれない。知っている人がいたら教えてちょ