誰に謝罪するのか

先日の豊田議員の謝罪会見について批判をしている記事が目立つ。

  豊田真由子議員から見える日本の困った姿*1

  豊田真由子氏から学ぶ、謝罪会見大失敗の根本的な理由*2

探せばあと10個くらいは楽に見つかる。だがどの記事もこの謝罪会見の根本的な問題を見逃していると思う。それは

  いったい誰に謝罪するための会見なのか?

豊田議員が謝罪をしなければならない相手は秘書と、全国のハゲのみなさん*3だけである。マスコミやその向こうの国民に謝罪しても、いったい誰に何の謝罪しているのかということになる。もしこの人が会見をするなら謝罪ではなくて「弁明」と「反省」だろう。弁明は

  私は誰にでもあんなことを言う人間ではないが、あの秘書があまりにもドン臭くてハゲっぷりが見事だった

反省なら

  いくら密室とはいえ、あんなことを言うべきではなかった。とくに他人の身体的な特徴−ハゲとかデブとか−は言うべきではなかった

あたりではないか。それを謝罪会見にしちゃったもんだから上手にはできないよ。同じことが不倫関係でも言える。この場合も謝る相手は向こうの奥さんとか家族。国民に謝ってもしかたない。さらに謝罪会見を開いたのが女性タレントだとすると、

  男性の方は奥さんとお子さんがいるのに浮気する気満々だったけど、私が自省しなければならなかった

という会見になる。これも謝罪というより反省だな。これが山尾議員になると事情がちょっと違う。彼女を擁護している自称リベラリストは「浮気のなにが悪い」とか「政治とプライベートは別だ」と言ってるが、あの人の問題はそこではなくて自民党の議員の浮気がバレたら責めて、モリカケでは首相の説明責任*4を声高に叫んでいながら自分は浮気をしちゃって説明を拒否するという、政治家として言行一致と一貫性を重要と思っていないことだ。まあ、あの手の議員は政治家というより運動家だから期待してないけどね。