梅雨の映画まつり「怪物はささやく」

みんな、インディードのCMは見たか? 私は昨日の夜に見たよ。それとは全然関係がない映画の話。
     
先に本の存在をしってあらすじを読んだら面白そうだった。Amazonより

  映画「怪物はささやく」原作  カーネギー賞ケイト・グリーナウェイ賞ダブル受賞!


  怪物は真夜中過ぎにやってきた。墓地の真ん中にそびえるイチイの大木の怪物がコナーの部屋の窓からのぞきこんでいた。

  おまえに三つの物語を話して聞かせる。わたしが語り終えたら、おまえが四つめの物語を話すのだ。

  闘病中の母の病気が再発、学校では母の病気のせいでいじめにあい、孤立……。そんなコナーに怪物は何をもたらすのか。

  夭折した天才のアイデアを、カーネギー賞受賞の若き作家が完成させた、心締めつけるような物語。

どうも映画の公開に合わせて書籍も出版されたみたいだな。寓話的なダークファンタジーなのだが、少年が怪物に話さなければならない四つ目の物語とはなにか? この怪物の目的はなにか? この怪物はどこから現われたのか? それが判明するラスト20分は号泣だよ。母親が入院したために気が合わない祖母と暮らす少年。その祖母役がエイリアンのシガニー・ウィーバー。婆さんの役を演じているというよりシガニー・ウィーバーがすでに婆さんだよ。この怪物はもちろんCGだが、怪物の造形、さらにクライマックスの墓場に地割れが起きて地面が崩れ落ちるシーン、単にリアルなだけでなく映像的に実に美しい。もうリアルに作るのは当たり前、これからはどれだけ美しい映像が作れるかが勝負になるのかもしれない。上に書いた三つの「?」。これを逆にたどっていくと、四つ目の物語があれであるのを承知の上で、むしろ少年が自分の正直な気持ち、そこから来る罪悪感、そうせざるを得なかった悲しみと真っ正面から向かわせることで喪失を乗り越えさせようとした愛に泣ける。誰にもお勧めという作品ではないかもしれないが、最近、心が荒んでいると思う人はぜひ見るべし。