真冬の映画まつり

2日連続でレイトショーに行っちまったぜい。
     
主演は女子高生役がちょっと無理がある足立梨花。父親の転勤で東京から田舎に引っ越した主人公。転校した高校には昔、自分たちがいじめた女の子がいた。彼女の策略でクラスのリーダー的グループから逆にいじめられる主人公。学校に行くのもイヤになったとき事情を知らない母親の何気ない言葉や久しぶりに会った東京の友だちの言葉に背中を押されて反撃に出る...と言っても、イジメがそれほどのものではないので反撃もそれほどでもないのだが(笑) 主人公は実際にいじめていたわけではないが、見て見ぬ振りをしていた。そしていじめられる立場になったとき見て見ぬ振りをするその他大勢の存在に傷ついた。ラスト、教壇の上に立って「おまえらも同罪だ!」。それは自分自身への反省でもあった。たしかにいじめをするやつなんて少数なんだから、ほかの子たちが協力してくれればいじめは防げるんだよな。主演の足立梨花。「劇場霊」のときは主役より光っていたが、実際に主役になると...うーん。可愛くて溌剌としているんだが、彼女は目が小さくてほとんど黒目なのでどこを見ているかわからないんだな。そのため表現力が削がれてしまう。やはり脇役とかバラエティ向きなのかもしれない。ファンの人が読んでいたらゴメン。倉庫に閉じ込められてオシッコを漏らすシーンが可愛かったのでファンの人はぜひ観に行ってくれ。
     
主役は日本初公開の台湾の女の子。彼女をはじめ知っている人が誰もいない。唯一わかったのが福田麻由子ちゃん。女王の教室に出ていた子だよね。準主役なんだけど開始1時間くらいでわかった。主人公は交換留学で福島県の田舎の高校に来るが、日本語は片言しか話せないし、ホームステイ先のお母さんは入院してしまい家に帰ってもほったらかしだし、自分はなんのためにここに来たのかわからなくなる。そんなとき田んぼで赤いコートを着た女性に会う。どうも彼女は幽霊で、彼女の姿は主人公にしか見えないらしい。主人公は中国語で話し、幽霊は日本語で話すのになぜか相手の言っていることがわかる。幽霊なのでテレパシーのようなものらしい。その幽霊の彼女と、ホームステイ先の青年は交際をしていて、いまだに相手のことが忘れられないようだ。主人公は彼らのために何ができるか考える...ここに青年と幽霊の共通の友だちである女性のエピソードや、主人公が好きになったクラスの男の子とか、謎のホームレスとか、いろいろなエピソードがからんできてラストに向かっていく。そう大きな事件が起こるわけではないが、ゆったりした時間のなかでそれぞれの思いがからまって心に染みる。1年経って台湾に帰るために駅に向かうバスの中で主人公のモノローグ。「人は必要とされる場所に呼ばれる。そして用事が済むと去って行く」。このセリフが冒頭の「私はなんのためにここに来たんだろう」と対になるんだな。こんなことを考えるなんて台湾の少女おそるべし。