冬のビデオまつり

きょうから「冬」にしよう。どえりゃー寒いよね。
     
石持浅海の同名の小説が原作。小説は名作だったけど、これはタイトルと基本設定が同じくらいで、まったくの別もの。そもそもこのシリーズの探偵役の碓氷優佳は黒木メイサとは正反対の人物だし。

     
シリーズ三作目。巨大なバッタのような異星人との戦いは同じだが、このシリーズは三作それぞれテーマがまったく違うのが素晴らしい。巨大バッタという強烈なアイコンがあるのでいくらでも続編が作れそう。

     
「ブレアウィッチプロジェクト」のUFO版。ハンディビデオによるPOV形式の映画で、男女4人が森をさまよいUFOのようなものや宇宙人のようなものが出てくる。UFO物はそれを研究している人やそれと戦っている人が登場人物にいるので解説つきで物語が進んでいく。だがこの映画は素人が逃げ回るのでなんだかわからない怖さがある。ビレアウィッチ同様、最後までなにがなんだかわからないまま登場人物全滅により終了。私はPOV形式の映画の画面の揺れにはけっこう慣れているはずだった。3Dのシューティングゲームでも慣れているからな。だがこの映画の揺れ方は半端ない。劇場公開時はトイレに駆け込む人もいたんじゃないかと思う。あー、気持ち悪い

     
これはいい映画だった。これがタダで見られるなんて、ありがとうAmazon。主役は内田有紀睡眠薬を一気飲みで病院に担ぎ込まれる。自殺衝動ありと診断され精神科の隔離病棟に入る。そこに入院している奇妙な人たちとの交流を描くドタバタのコメディーが3分の2。終盤になると一気にシリアスな展開になり、主人公が記憶から消していた自殺未遂の理由が明らかになったり、入院患者との触れ合いが別の視点になったりで深い哀しみに覆われる。この映画でびっくりしたのが蒼井優。たしか北川景子が好きな女優として名前をあげてなかったっけ。完全に役柄そのものになれると。私はCMでしか見たことがなかったのだが、主人公を助けるニヒルな女性(ポスター右上)、この人が蒼井優だと気がついたのは映画が始まって1時間経ってからだった。

     
この映画、太鳳ちゃんの黒歴史ではないだろうか。映画監督や脚本家を志す人にこの映画を見せて、どこをどのように直せばいいかの教材にちょうど良いと思った。ミステリー物にするか、サバイバルホラー物にするか、サイコキラー物にするか、映画のグランドデザインを決めないまま、それぞれの「いいとこ取り」をしたつもりが中途半端な作品になってしまったようだ。太鳳ちゃんは最後まで生き残らなければならない、物語を太鳳ちゃんの視点で描かなければならない。これを両立させるにはどういう物語にすれば良いか。そこからプロットを考えるべきだったと思う。

     
感染すると凶暴になって人を殺しまくるウイルスがイギリスで蔓延。主人公が病院で目覚めると病院には誰もいないところからスタート。襲ってくる感染者から逃げながら生存者を探す。ここまではよくあるストーリー。最後は感染者ではなく、生存者との戦いになるのが新しい。相手は武器を持った軍人。主人公は徒手空拳の素人。彼の唯一の武器は感染者...

     
原作は田口ランディの小説。ラストがよくわからなかった記憶がある。いまから15年前の映画で主演は市川実和子。いまから15年前の市川実和子が個性的すぎる。目と目の間が離れすぎている。この映画を見て原作の意味がよくわかった。それだけでも見て良かった。25才の市川実和子、胸もお尻も出して全裸で男性にまたがって上下運動をしているんだよ。ちょっとびっくりした。でも自分が主演の文芸作品で裸になるのって、その人のキャリアにプラスにこそなれマイナスはまったく無いんだよね。文芸作品ではなかったけど、あの2本の映画で小松彩夏が脱いでいれば別の未来があったように思えてならない。

     
「28日後」の続編の「28週間後」。あのウイルスは凶暴になるだけでゾンビになるわけではない。よって食い物がなくなれば餓死する。多国籍軍がイギリスを封鎖して感染者を餓死させウイルスを絶滅させる。避難をしていた住民がアメリカ軍の厳重な管理下で元の街に戻り始める。だがある意外な理由でまだウイルスが残っていて、よかれと思って行なった措置のために数時間で感染が広がり軍のコントロール不能になる。どうせここはイギリス。アメリカ軍は非感染者もろともロンドンを焼き払い感染を食い止めようとする。難を逃れた主人公たちだったが...と、続編でも敵は感染者ではなく軍人。

     
交通事故で病院に担ぎ込まれた主人公。頭の怪我の影響で事故の前の記憶が無い。寝ている間のうわごとを看護師が記録していて、いくつかのキーワードを元に失われた記憶を探し始める主人公。だが関係者がつぎつぎと惨殺され、警察に疑われている主人公の立場がどんどん苦しいことに...ここまでが前半。この先で物語は意外な展開になる。って、意外すぎるよ。逆じゃないのか、ふつうは