秋の映画まつり

3日に出勤した代休で映画を観に行ってきたよ。上映館は多いのだが3本が同時に観られて中1時間くらいで分散していたのが豊洲ららぽーとにあるユナイテッド・シネマ。会員になっていると金曜日は1,000円だ。喫煙室が映画館のすぐそばにあるのがうれしい。
     
シリーズ3作目。予告編を観たら今回は展開が派手そう。この映画館では「4DX」の上映だ。4DXって3Dの飛び出す映画+椅子が揺れる+水しぶきが出る+霧やシャボン玉が出る+匂いが出る、というやつだ。でもこの映画の3D版ってなかったように思うのだが...やっぱり2Dだよ。これではディメンションが1個足りないじゃないか。爆発するシーンで椅子がガタガタ揺れるのかと思っていたら、登場人物が走ったり車に乗るだけで椅子が揺れる。とにかく揺れる。ナイフで刺されると背中に衝撃。水が出る...ゆっくり映画を観させてよ! ダヴィンチ・コードほどの複雑さはなく、教授が記憶を失わなければ30分で目的地にたどり着いたのではないだろうか。その分、教授の命を狙う襲撃者からの逃走が加わる。かといって肉体派の主人公ではないので、彼のピンチを救うのが博物館や美術館の豊富な知識。ガイドブックや館内案内図に出ていない入り口や通路を使って逃げるのが新しい。なお、教授と行動をともにする姉ちゃんが可愛い。なんだろう、最近のアメリカ映画はヒロインが可愛い。たぶん欧米人にとっての美人−金髪で目と口がでかくて鼻か高くて頬骨が高い−は、意外と他の地域のウケが悪いと気がついたのだろうか。
     
私にとってのきょうの目玉だったのだがイマイチだった。前半のスピーディーな展開は良かったのだが、後半に失速する。話の流れからしてしかたないと言えばそうなのだが、このカテゴリの映画には「セブン」や「羊たちの沈黙」など映画史に残る名作があるのでどうしてもハードルが高くなってしまう。
     
もっとも期待しないで観た作品だったが、これが一番よかった。大筋はお母さんが余命数ヶ月を宣告されてからの家族の話という陳腐なものだよ。ラストもわかっている。だがそこに行くまでに連作短編集風にエピソードが重なり飽きない。そのエピソードそれぞれに、自分がいなくなった後でも子どもたちが強く生きていけるように、自分の代わりに子どもたちが頼れる人がいるようにと、お母さんの意志がある。また、ありがちな話を良作に仕上げているのが、出演している俳優の全員が上手。子役に至るまでダメな役者が一人もいない。ユルくてダメな男を演じたときのオダギリジョーが最高、子ども役の名前は知らないがCMでホイコーローをバクバク食べている女の子が逸材。あと観客を無理に泣かせようとしない演出も良かった。ただラストは仰天の展開。あれは逮捕されるよ。