「庭野ではなく、私が売りました」

少し前だがこんな記事があった。

  女性が昇進・昇給を実現する方法は一つだけ 信じてはいけない助言とは?*1

管理職になってチームを率いてもっと大きな仕事がしたい、上級管理職になってもっと経営層に近いところで仕事がしたい。女性がそう思っても、実際に女性の管理職は少ない、上級管理職はもっと少ないのが現状である。この記事の「信じてはいけない助言」は

  成功を収めるために、女性がすべきことはなんだろうか。

  この点について、善意からの言葉ではあるものの、簡潔すぎて心配になるような(そして人を誤らせる可能性がある)アドバイスをよく耳にする。

  それは、「ただ一生懸命働け」というものだ

では筆者が主張する、女性が昇進・昇級するただ一つの方法とは

  成功を収めるために一生懸命働くことは、頭を下げることや、多大な努力を払うことにとどまるものではない。

  自分というブランドを自らコントロールすることが含まれる。他の人たちに、自分が懸命に努力していることを確実に「知ってもらう」ことが必要だ。

  つまり、「報酬を求める」必要があるのだ。

つまりただ努力するだけではなく、自分が努力していることを知ってもらう必要がある。そして一般的に女性はそれが苦手であると筆者は書いている。さらにわざわざ女性にこのようなアドバイスをすることは、男性の女性への偏見もある。男性だってそうだが、女性はとくに自分からアピールしないと上司はわからないと言っている。これを読んで三軒家万智を思い出した。日頃は課長を課長とも思っていないのに、成約したときだけは

     

     「課長、○○の物件、売れました。庭野ではなく私が売りました」

必ず課長に報告している。上司とのコミュニケーションは必要最小限で良いが、自分の実績だけは必ずアピールしなければならないとこのドラマは教えている。あと、きょう読んだ記事にはこういうのがあった。

  ダイバーシティの成功は「自己主張」から始まる*2

  −女性の「成功体験」が日本を変える−

私の会社は総務から定期的に啓発っぽいメールが来る。その中に「ダイバーシティが重要だ」みたいな内容があって、いろいろ書いてあるんだが、最後は「喫煙者は非喫煙者に気を遣え」と結んであってすぐにメールを削除した。いまでも隔離されているのにこれ以上の迫害はするなら、それは喫煙をするという多様性を認めないことではないのか。すぐにそばの席のやつに「いま総務から来たダイバーシティのメール、結論がおかしくないか?」と聞いたら「お台場のアレですよね。それが何ですって?」。私は性別、国籍、宗教の多様性は認めるが、無知・無教養という多様性は認めん。話を記事に戻して、ここで言うダイバーシティは女性の登用についてなので前の記事と同じ。結論も自己主張の重要性を説いている。そしてそれが旧来の日本式の社内風土を変える可能性を持ったものであると。この記事は「家売るオンナ」の感想で始まる。

  不動産仲介業の現場で、ぶっちぎりNo.1の販売実績を誇る営業レディを扱ったTVドラマ「家売るオンナ」が本当に面白かった。

  契約締結後の決め台詞が「(他の誰でもなく)私がっ、売りました」というもので、およそ旧来型日本人の周りを立てる美徳とは異なる人物像を描き出していた。

  辛辣な言葉や厳しい指示を次々に発していくのだが、その裏にぶれない価値観や 強さ、そして「彼女なりの」優しさが見え隠れする。

  知らぬ間に周囲の同僚が皆彼女にひかれていってしまう…そんなストーリーだった。

  「プロデューサーの世相を読む(創る)力はすごいなぁ」と常々トレンディードラマを見て思っていた。

  今回特に感慨深かったのは、徹底した自己主張をしながら周囲を変革の渦に巻き込んでいくさまが、あたかもグローバル企業の現場さながらであったからだ。

  しかもその主役が過去の因習にとらわれない女性。絶妙に時代を先取りするなぁ。

三軒家万智は孤軍奮闘だったが、どちらの記事も自己主張をする女性を上司が守ることの重要性を説いている。前者は女性のため、後者はもう一歩突っ込んでそれが男性ではできない変革を社内にもたらす可能性があるため。今回のドラマ、不動産屋さんだけでなく、こういった感じの取り上げられ方が多くて北川景子にかなりのプラスになったのではないだろうか。でも社内の女性がみんな三軒家万智みたいだったらイヤだな。ビジュアルも三軒家万智だったらいいけど、あんな人いないし。私は定年だけど、皆さんはがんばって女性の管理職とその候補をサポートしてあげてね