北川景子「最終話が心配だ」

私は第2話のレポでこんなことを書いた。

  初回は北川景子のキャラが「女王の教室」の天海祐希と「家政婦のミタ」の松嶋菜々子と、あとなんかが混ざった印象派の点描画だった。

  今回はそれらがだんだん混ざって、そこにおバカが加わっていい感じのグラディエーションになってきた。

  第5話あたりで完全なオリジナルになるのではないかと思う。

それが先週の第4話、たしかにオリジナリティが出てきた。それも悪い方に。第4話を見た後で第1話や第2話を見ると映像や北川景子の表情がすごくいい。
      第1話
      第2話
どちらも客に向かい合ったときの主人公の表情。必要以上の表情はつけないが「どうです、お客様にぴったりのいい家でしょう」という表情。それが第4話では完全にロボット化している。ペッパー君の方が親しみがある。たとえばこのシーン。
     
これはどういうシチュエーションかというと
     
向かいでは購入を決めた客が申込書に記入している。ここは背筋をピンと伸ばすのはいいが、目は客が書いている申込書を見るだろ。違う欄に書いちゃったり、書かなくてもいい欄にまで書かないように目で追うのが普通だと思う。客は前屈みになって書類を書いているので、真正面を向いている北川景子は何も見ていない。気絶しているように見える。キャラを作ることに無理をしすぎて不自然なシーンが多すぎるのだ。あとはこんなシーン。
     
家を見学に来た客。この人はホームレスみたいなかっこをしているが電器メーカーの創業者・会長なのだ。右手にいつもビニール袋を持っている。このビニール袋は重要なアイテムで、一つは見てのとおり、金持ちに見えないかっこをするため。家を見て回った最後に主人公の隠し球が炸裂する。
     
ここでもまだビニール袋を持っているのがわかるね。扉を開けた向こうにある物に会長は驚き、手に持っていたビニール袋を落とす。
     
ゴトっと音は聞こえるのだが、ここはフレームを引きにしてビニール袋を落としたところを見せないと。なんのためにここまでビニール袋を持ってきたのかと。3話と4話はフレーム割りというか、カメラアングルというか、見ていてやたらストレスが溜まる。1話と2話を見直すとまったく感じないんだ。さらに3話はそれほどでもなかったが4話は効果音が多すぎる。このドラマのおきまりの効果音、「オーレッ!」という掛け声、何かに気がついたときのガラスを弾いたような「ピンッ!」、主人公の言動を盛り上げるカスタネットのような「タカタッ」。どれも1話や2話ではここ一番で使う効果音なのだが、4話は多用しすぎ。
なんだろう、この既視感は。下手な演出と多すぎる効果音。10年前にも見たような気がする...今週の5話と6話は三番目の演出家なので、この人に期待したい。このままでは北川景子がかわいそうだ。とここまで書いて考えた。このドラマは全部で何話まであるのだ? 10話だとすると、たぶん主人公の生い立ちとか家を売ることにあれほどの情熱を燃やす理由とかが判明するラストの2回、ローテーションでは9話と10話はまたこの演出家に回ってくるではないか。セーラームーンの最後の方はローテーションを崩して鈴村監督−舞原監督の黄金リレーで締めたように、このドラマもラスト2回は考えて欲しいなあ。頼むよ、日テレさん