定年になったらすること

7月1日から再雇用になったわけだが、席も仕事もいままでと変わらないので、私も同僚もとくに6月までと違うという意識がない。それでもあと5年間、給料が上がることはないし、当然、出世することもない。私の年令もそうだが、給料が4割になったのを上司が知っているので新しい仕事とか緊急の仕事は任されない。楽は楽だが、寂しいといえば寂しい。いまの私の立場って、考えようによっては

     怖いものがない

そうすると怖いもの無しの私がやるべき使命とはなんだろうと考えた。その結果、たどり着いた結論が

     みんなが怖くて言えないことを言ってあげる

ことではないだろうか。「ご意見番」とは違うよ。芸能界のご意見番とか政界のご意見番というのは、その人が何を言っても誰も非難できないような立場の人が言いたいことを言うことだから。私の場合は非難覚悟でみんなが思っていることを言ってあげる。まあ失うものが無い人が敢行する自爆テロみたいなものだ。
先日、本部長主催、部長以上が集まる定例の会議があって、そこにマーケ部門の人が来た。あまり細かいことを書くと過去の記事と照らし合わせて私の勤務先がわかっちゃうので*1、販売に携わっている人が着るユニフォームのデザインについてだ。事前に販売スタッフへのアンケートが実施されている。私もこのアンケートを見たが、ダメなアンケートの見本みたいなやつ。なにかを選ぶときは3つの中から一つ、多くても5つの中から一つを選ぶようにしないと人間は選べない。それが小さい図で12個の中から一つを選ぶんだよ。さらにどれもわずかな差で、私はこのアンケートを見たとき「まちがい探しかよ!」と突っ込んでしまった。私がこのアンケートを作るなら、まずは正面のデザインを3つの中から選ばせる。つぎにいま選んだデザインの背面のデザインを3つの中から選ばせる。つぎに色を2つの中から選ばせる。それを前提にして全部の中から選ばせる。こうすれば意見が割れたときも「色はほぼ同数ですが、正面のデザインはこれが圧倒的多数です」とか要素についての結論が出せるだろ。
その日のマーケ部門が言ったのは「アンケートではA案が多かったですが、マーケ部門としてはC案にしたいと思います」だと。こいつらバカか。だったらアンケートなんかするなよ。そもそもあのアンケートではA案とC案の違いがわからなかったと思うぞ。そうしたら本部長が「C案なら、いま使っているものとほとんど同じでしょ。変えなくて良いのではないですか?」。そうだそうだ。さすがは本部長。マーケ部門は変えないと仕事をしたことにならないからな。でも経費や現場の手間を考えれば現行のままのがいい。ここで私の自爆スイッチが入った。

  私「これだけ意見が分かれるってことは、どのデザインも良くないってことじゃないですか?」

前に立って説明していたマーケの担当者全員から「ピキッ!」って音がしそうな勢いで睨まれる私。ここでうっかり発言をすると「もらい事故」になる予感がして静まりかえる出席者...数秒の沈黙のあとでマーケの担当者が

  マ「で、では、C案をもとにして、もう少し考えてからまたお持ちします」

  私「いやいや、C案ではなくて、現行のデザインでしょ」

  マ「ピキッ!」

こんなことをやってると5年も保たないような気もする...

*1:そこまで自爆はしない