続・エンブレム

続って、この前は昨年の8月3日の記事だけどな*1。オリンピックのエンブレムはA案に決まった。
     
残念ながら私の案は不採用だった*2
     
私のまわりの人はB案かD案。みなさんもこのどちらかだったのではないか? 選考に関係のない、どこかの大学の教授が書いていた記事が興味深かった。場所を忘れてしまったのだが、オリンピックのロゴは制約が多いので奇抜なデザインは無理だと。いちばんの制約が、いろいろな場所、物、サイズで使われるので求められるのは汎用性。その点でB案とD案は直径1cmくらいのバッジにしたときに細かい線が見えない。その点で選ばれるのはA案かC案。A案は躍動感がないのでたぶんC案だろうと書いていた。なるほど、過去のデザインを見ると納得できなくもない。そして最終的に選ばれたのはその躍動感のないA案。
この決定に対して前回の選考委員だった人たちが「良くない」とか「出来レースだ」と言っているのが実に見苦しい。もしかするとマスコミに言わされたのかもしれないが、こういう事を言うのが自分の品性を下げることだとわからないのが、やはりデザイン業界は特殊な価値観の人の集まりなのかと思ってしまう。でも今回の騒動での収穫は、業界で一流と言われている人の作品だからとありがたがらないで、自分の眼でしっかり判断しようと多くの人が思ったことではないか。
それにしても謎が多いA案。さっそくこんなコラが出回っている。
     
葬儀会場か。選考委員の過半数がA案に手を挙げたそうだ。朝のテレビで「A案はいちばん応用がしやすいんです。バックの色を変えることもできるし、サッカーボールに付けることもできます。四角形が集まってこの形になる動画も作れるんです」と言っていた。たぶん選考委員と私たちの差は、この案に関するプレゼンを見ているかどうかだと思う。我々が見ているのは上に貼り付けた絵だけだが、選考委員はこれが大小さまざまな場所や物にこのマークをつけた画像を見ている。テレビで言っていたような動画も見ている。その応用例の総合得点でA案が抜きん出ていたのだと思う。
だが、ただでさえ曰く付きのエンブレム。さらに白地にマークを配した図では地味な印象を受けるのもわかったはず。発表と同時に応用例の良さを主催者側もアピールするべきだったのではないか。それを怠ったのだとしたらあまりに空気を読んでいないというか、優秀なブレインがいない。もし主催者側はその説明をしていたのにマスコミが報じてないならいつもながらの情報操作。その罪は重い

*1:http://d.hatena.ne.jp/M14/20150803

*2:応募してねえし