結論から言うと...
すごくおもしろかった。見る前は「いやいや、いまさら坊ちゃんかよ」とか「二宮はねえだろ、イメージ違うよ」と思った。まず二宮が無理に小説の坊ちゃんになろうとしなかったことが勝因だと思う。もしかするとなろうとしたのかもしれないが、坊ちゃんが無骨でバンカラな明治青年から、世間知らずで生意気な平成の青年になっていた。だが、坊ちゃんが生きた時代の大人たちから坊ちゃんを見ると世間知らずで生意気な青年だったと思うんだ。それもあって、むしろしっくりした。あとは、その二宮をベテランの俳優が囲むことによって、彼の青さが欠点ではなく瑞々しさに映る素晴らしいキャスティングだと思った。このスタイルっていろいろ応用が利くのではないか?
さて、我らが沢井美優、坊ちゃんと山嵐が茶屋なのかカフェなのかに入るとマドンナがお出迎え。その後ろに同じく女給役の沢井美優の姿が。
坊ちゃんたちが話をしている間にマドンナは仕事が終わり出ていく。入ってきた客と沢井美優の会話。
客 「きょう、マドンナは?」
美優「もう、みんなマドンナ。さっきまでいたんですよ」
活字で表現できないのが残念だが、短いセリフの中に光る沢井美優。セリフの抑揚やスピードの変化の付け方が絶妙。つぎの登場は30分後。赤シャツがマドンナをたずねて店に来る。