祝・ノーベル賞、祝・ラグビー

すごいな、ノーベル賞。私が子供のころと言わず、青年のころ、日本人が絶対に無理だと思ってたこと。

  1.毎年、誰かがノーベル賞をもらう ・・・基礎研究が弱そうだから

  2.フィギュアスケートでメダルを獲る ・・・スタイルが悪いから

  3.ラグビーのワールドカップで上位に行く ・・・身体が小さいから

ぜんぶ実現したじゃないか。失われた10年とか20年とかいってパナソニックやシャープが技術者のクビをどんどん切ってた間に、研究機関は少ない研究費をやりくりして地道に研究を続けていたんだね。以前に読書のコーナーで紹介したこの本に書いてあったエピソード。
     

日本語の科学が世界を変える (筑摩選書)

日本語の科学が世界を変える (筑摩選書)

今回の医学・生理学賞はすでに実用化されていて全世界で数億人の命を救ったと新聞に書いてあったでしょ。医学・生理学賞は実用化されないと受賞の対象にならないそうだ。その点、山中教授のiPS細胞はあの時点では実用化されてない実験室の中だけのことだった。それが受賞したので上の本の著者は、いつか受賞するのは確実だが、実用化前に受賞するのは異例中の異例なのでびっくりしたと書いてあった。その理由を著者が調べたら、じつにヨーロッパらしいというか日本人には理解できない理由があったと興味深い話が書いてあった。それまでの再生医療には人間の卵子が必要だった。10才くらいから50才過ぎまで毎月1個ずつ卵子が作られて、よほど子だくさんの女性以外は99%が捨てられる。だったらいいだろ、ということなのだが、なにしろ人間の素(もと)。宗教界はそれってどうよ、と非難をしないまでもしぶしぶ黙認という形だった。その点、山中教授の研究は卵子を使う必要がないのが画期的だったわけだ。山中教授がノーベル賞を受賞した数日後だか数週間後に、バチカンから「山中教授の研究を高く評価する」と異例の声明が出されたそうだ。今回の医学・生理学賞の受賞で、この話を思い出したので忘れないうちに書いておく。きょうは調子悪いからもう寝るわ