マスコミの情報操作に騙されるな

こんな記事があった。

  全世界に拡散した自民・佐藤正久議員の暴力*1


  安保関連法案の参院特別委での採決強行の乱闘劇。委員長席を目がけて「ダイブ」を敢行した小西洋之議員(民主)に対し、

  自衛隊OBの佐藤正久議員(自民)が“鉄拳”をお見舞いした写真を欧州の通信社が配信し、海外の報道機関が大きく取り上げた。

     

この記事だってよく読めば「ダイブなんかしちゃいかんだろう」と思うのだが、タイトルの「佐藤正久議員の暴力」で印象のベクトルが決定づけられる。さらに写真を見るとヒゲの隊長のパンチが小西議員の頬に入っている。だが、この写真の5秒前からの動画を見ると印象がガラリと変わってくる。下に貼り付けたgifはサイズが4MBもあるのでスルーしてもらってもかまわんよ。
     
な、他人の頭の上に後ろからダイブするのは極めて危険な暴力なわけだ。本人がじゃなくて委員長がだよ。もし隊長が後ろにいたら襟首をつかんで引きずり下ろしたはずだが、この位置では小西議員を降ろすには前から押すしかない。動画を見ると鉄拳というより、委員長を守るために隊長の位置からいちばん手前にある部分、つまり顔を押しただけだろ。ただパーじゃなくてグーだったと。武道の経験者によると、この状態でパーで押すのは非常に危険らしい。相手は後ろからダイブをしているので勢いがあるため、パーだと自分の手首を痛める可能性がある。さらにパーだと指が相手の目に入る危険もある。よって、このケースはグーが正しい判断だと書いてあった。そもそも実践的な格闘技*2を身につけた隊長が本気でパンチをしたら小西議員は即死だろう。小西議員が中国や北朝鮮、委員長が日本、隊長が集団的自衛権による同盟国。実にわかりやすい構図になってしまった。この日の隊長のツイート。

  委員長も佐藤も、円満な採決を模索はしたが、遺憾ながら結果として実力での採決。

  与野党対決法案であり、民主党は対案も提出せずの徹底抗戦。

  委員長や与党の理事を9時間も監禁状態、締めくくり総括的質疑も不信任動議や、暴力的阻止行動等で委員会が開会できず。

  更なる妨害行動も予想される中での採決

円満な採決をめざしたが、そもそも話し合いができなかったと。朝日新聞や報道スケーションとはだいぶ印象が違うでしょ。民主党共産党も対案を出すなんて難しいことは無理だろうから期待しないけど、国家の安全保障がどうあるべきかのビジョンだけでも語らないと政党として失格だろ。外でデモをしている学生もメッセージが「戦争反対!」「戦争に行きたくない!」では不勉強丸出し。私が採用担当者ならデモに参加したことではなくて政府へのカウンターが「戦争反対」であることの頭の悪さで不合格だよ。

*1:http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/164262

*2:ここで「実践的」はポイントを稼ぐことではなくて相手を動けなくする、場合によっては殺すという意味ね