敬老の日映画まつり「キングスマン」

まいった。まいりました。ここ数年で観たハリウッド映画でいちばん面白かった。もちろん今年の洋画部門のナンバー1。映画もアニメも小説も、あるいは音楽や料理だって、つねに新しいものを作ろうとするでしょ。どんどん傾(かぶ)いていくわけだ。その新しさには価値があるのだけど、新しさの度合いがすべて良さにつながるわけではない。なので、突然に古典的というかプロトタイプのような作品に出会うとびっくりするわけじゃよ*1。何十年も新作が作られている「007」にしたってそうだ。この映画は現代を舞台にしていながら60年代、70年代のスパイ映画のレトロな感じに拘っているわけだ。当然、トラディショナルなスーツに身を固め、コウモリ傘を持った紳士が出てきたら滑稽なのだ。その滑稽さとバリバリのアクションの組み合わせが実に楽しい。予告編は何度も見ているのだが、あれでは本編の面白さの一割も伝わってない。やはり映画の面白さはCGの量や爆薬の量ではないよ。右上のポスターの中央のおっさん、「英国王のスピーチ」に出た人だよね。この人がキレッキレのアクションをするのが痛快であると同時に滑稽なのだ。ただ日本のドラマにあるように初めから笑いを狙ってなくて、本人もストーリーの展開も大真面目。英国紳士然としたこの人が、高そうなスーツを着てアクションをしたら笑うだろ。だけどたまらなくかっこいいだろ。これはお勧めする。観るべし!

*1:なぜジジイに