「記憶探偵と鍵のかかった少女」

記憶探偵とは他人の記憶に入り込むことができる特殊能力者。心の病を持っている人のトラウマの原因を探したり、事件の犯人や目撃者が意識していない隠れた証拠を探し出す。記憶に入ると、過去のある時点の映像が流れ、そこに記憶探偵が傍観者として立っている。被験者から探偵は見えない。ちょうど「悪夢ちゃん」の最終回のあれね。ただ悪夢ちゃんは夢だが、この映画は記憶。夢だとできないが記憶だとできることがあり、そこが物語のラストの肝になっている。あ、言っちゃった。
タイトルからして、心に深い傷を持つ少女の記憶に探偵が入り込み少女の心を癒やしてめでたしめでたしという話かと思った。実際はすごく複雑な話だったよ。意外な真実が明らかになり、バタバタとラストに向かって雪崩れ込むのはよいが、あそこはもう少し丁寧に作った方が良かったのではないか。犯人の動機がよくわからないが、「○○を殺して自由になるために××を利用した」ということか。さらに「それでは××が気の毒なので△△といっしょに映した写真を送り××を助けた」ということかな。これが小説ならプロローグで事件後の犯人の日常を描いておいて、それが誰なのかわからないようにしておく。で、エピローグのその先がプロローグになるとう構造がよくあるね。ただこれは映像化が難しい。
ヒロイン役の女性、映画のポスターでは文楽人形みたいで不気味でさえあるが、実物はクソかわいい。
      *1
と私が思えるのは頬骨が出っ張ってないからだ。アメリカ人だが、両親はウクライナからの移民だそうだ。ウクライナだったかクロアチアだったか忘れたが、そっちの女性ばかりを集めたパブがあるそうだ。女性はみんな結婚相手を探すことを目的で働いていて、実際に結婚をした人の話を読んだことがあるが、感性的にはとくに日本人との差は無く普通に暮らしていけるらしい。国の家族に日本の感覚ではわずかばかりの仕送りをすると喜ばれると書いてあった。ただ、背が高く、怒ると怖いと。
この映画を見てあれ?と思ったのが、登場人物がやたらとタバコを吸う。主人公の探偵なんか少女の部屋にいるとき以外はいつもタバコを吸っているして、外で吸ったときは吸い殻を地面に投げ捨てている。主人公の上司もタバコを吸うし、少女の母親も喫煙者。タバコ撲滅原理主義者は「日本はタバコ後進国、日本以外の先進国の中流以上はタバコなんか吸わない」と言ってるが、あれは嘘だろう。「日本は世界から孤立している」と同じ臭いを感じるぞ。とりあえず、国際結婚するならウクライナ人だとわかった映画であった

*1:クリックすると大きくなるよ