台風一過

子どものころは「台風一家」と信じて疑わなかったよ。どこか南の方にお父さんとお母さんがいて子どもがポンポン産まれて日本にやってくる。ビッグダディか。たまにお母さんやお父さんが自らやってきて破壊の限りを尽くす。子どものころなんか台風が来ても雨合羽、長靴、傘の重装備で通学したし、よほどひどくなったら休みになるので、台風はそれほど億劫ではなかった。親父が雨戸を打ち付けたり、停電になってロウソクをつけたり、朝になると瓦が落っこっていたり、ある種のイベント感さえあった。それだどうだ。社会人になるとひたすらめんどくさい。
いつもより15分早く起きてテレビをつける。そういえば、ZIPのMCが北乃きいになって1週間になるが、きょうなんかも私がテレビをつけている間は映らなかったなあ。以前も書いたようにZIPの女性MCはほとんど出番がない。だから小松彩夏でもできる。進行のしかたを工夫すればハムスターでもできる。ハムスターのジップちゃんとかいって、でも夜行性だからスタジオのライトの下ではいつも寝ている。3年間出演してつぎのタレントに代わるときは、じつはジップちゃん5代目くらいになっている。そんなことはどうでもいい。
台風は昨日の予想より遅く静岡県のあたりだ。プラフラさんは会社に行けたのだろうか? sakuraさんも静岡だったなあ。雨も風もそれほどひどくない。結局、安倍麻美級だったな。駅についたら都営新宿線は走る気まんまんだが、乗り入れしている京王線の影響で到着が遅れている。いつも京王線だよ。タフで無骨で東京のコロンビア・江戸川区を横断する都営新宿線。東急や小田急と肩を並べているつもりが、東急ほどおしゃれでもなく、小田急ほどスマートでもない京王線。もう乗り入れやめろよ。ここがインドなら都営新宿線カースト制度のいちばん下。京王は上から3番目。そもそも結婚できないだろ。話はまたそれるけど、インドっていまでも厳格なカースト制度があるのな。もうすぐ人口で中国を抜いて経済成長も著しくて大国の仲間入りってことになるのだろうが、このカースト制度がくびきになるよな。インドはカースト制度、中国は中華思想と戸籍制度、ロシアは荒くれ者、アメリカはバカ。大国ってろくなもんじゃねえな。
やっと電車が来て乗る。当然、列が長かったので座れない。けっこう順調に走っている。車内で同じ沿線のO君とM嬢にメールを出す。O君は「これから家を出ます」。そりゃ遅いよ。絶対にまにあわないぞ。M嬢は私よりずっと都心寄り、江戸川区を抜けて東京のモンゴル・墨田区の住人だが「いつもより30分も早く家を出たのにぜんぜん電車がきませんよー」。よし、この電車で私が迎えにいくぞ。順調に走って江戸川区を抜け、東京のカザスフタン・荒川区に入ると乗る人が多くなる。時間は大島(おおじま)の駅で起こった。長い列ができているが車内はすでに満員。列の前の方の数人しか乗れない。あとはつぎの電車を待て。と思ったら20代後半の姉さんが腕だけ入れて「あっ!あっ!」ともがいている。おい、上半身だけ入れて足を降ろすスペースがないことはある。足だけ入れて上半身がはみ出ていることはある。「あっ!あっ!」あんた、腕だけで身体は上半身も下半身もホームじゃないか。姉さんの格闘は続く。「あっ!あっ!」おいおい、これでまた電車が遅れるだろ。「あっ!あっ!」ドアのそばに立っている人も引っ張り込むか、ホームに蹴り出すかどっちかにしろよ。駅員が来て「つぎの電車をお待ちください」と引きずり下ろした。私とM嬢はなんとかまにあったが、この姉さんのおかげでO君が会社に着いたのは9時10分だったよ。