「零−ZERO−」

寄宿舎を舞台にしたホラー映画。ぜんぜん期待しないで行ったのだが、映像も脚本もけっこうよくできていてなかなかの佳作。この二人が主役で
     
セブンティーンのモデルの子だそうだ。出てくる人は知らない人ばかりで、美山加恋ちゃんだけ知ってた。加恋ちゃんはいまでも美少女だがちょっとしゃくれている。ホラーって大きく分けると幽霊とか怪物とかのスーパーナチュラル物。あとはこの世のものでないように見せて実は殺人鬼物。前者の怪奇現象物も、そのようなことが起こる理由、登場人物が襲われる因果が存在するもの*1としないもの*2。因果があるタイプで一大ジャンルになっているのが悪魔が犯人のオカルト物*3。後者の殺人鬼物では犯人が人間のとき*4、ふつうではない人間のとき*5。この映画はどこに分類されるかというと...それを書けないのがこの映画の凝った作り。こういう映画を見ると、この前に見た「海を感じる時」なんかはすごく作りが雑なんだよな。それでもけっこう満員らしいので市川由衣はよかった。
この映画、10代の女の子がたくさん出てきてさぞ楽しいだろうなと思ったのだが、意外な発見というか再認識をした。制作者の意図がそこにあるかはわからないし(たぶん無い)、これは私だけの感覚だと思う。ちょっと表現するのが難しいのだが、簡単に言ってしまうと「ハイティーンの女の子は独特の汚さがある」。出演者の誰かが好きな人がいたら許してくれ。特定の誰かを指して言ってない、一般論だ。ここで「汚い」とは「若さから来る傲慢さによるずる賢さ」を言っているのではない。また「世間知らずから来る残酷さ」を言っているのでもない。そのとおりの意味で「ばっちい」。なんだろう、これ。誰か共感できる人はいるかな。子どもが脱皮して大人になるでしょ。二十歳前の子がまとっているのは脱皮する直前の皮なんだよね。その皮が腐る一歩手前のすっぱい匂いがするような何か独特の汚さを感じるのだよ。これって俺だけかな。わかる人はいますか? この映画で頻繁に出てくる、上の写真のようなトーンがかかった白が基調のアップの映像がそれを引き立てるのだよ。たぶんほとんどの人は「神々しい」と感じるのかもしれないけど、私は「うっ」って引いてしまうよな感覚。でも観客に良いにつけ悪いにつけなにかを感じさせるのは制作陣の勝利だよね。たぶんDVDを家で見るのではわからないかもしれないので、興味がある人は映画館に行ってみて。
エンドクレジットのいちばん最後に一枚看板で「美保純」って出てきてびっくりした。どこに出てたんだよ。園長か。美保純で私の中では「美人ではないけど素敵な人ベスト3」だったのだよね。あとの2人がすぐに思いつけないけど。歳月は残酷だ

*1:「リング」とか

*2:呪怨」とか

*3:エクソシスト」とか「オーメン

*4:「十三日の金曜日」の第一作

*5:同二作目以降