「海を感じる時」

この映画で全裸、セシクスシーンに臨む市川由衣。出演するかどうか1ヶ月悩んだそうだ。原作を知っている人や、市川由衣のファンから見ると違った感想になるかもしれないが、私の中では「脱ぎ損」、今年観た映画でワースト3に入る。なにより主人公に感情移入ができない。登場人物の誰にも共感ができないので物語に入り込めない。やたら間が多いストーリーの流れの中で市川由衣だけがひたすら脱ぎまくる。最後の主人公の心変わりも理由がさっぱりわからない。私の読解力の問題かもしれないが「セリフを一つ一つ吟味すればわかるはずです」では映像化する必要がないと思うのだが。あまりにもわからないので原作の感想をネットから探してやっと理解した。とにかく映画ではタイトルの意味さえわからない。「いやいや、これは文芸作品ですから、エンターテイメント作品とは違います」と制作側が思うのであれば、それは奢りではないか。
レポも書いたが「思春期ごっこ」の舞台挨拶で新人監督が「活字にすれば3行くらいで収まってしまうような話を2時間の映像にするのが映画製作の醍醐味だと思ってます」と言ったのが印象に残っている。あれなんかはこの映画以上に単純・単調なストーリーなのだが、早い段階から観客は主人公にシンクロし、主人公の目で物語の進行を見ていく。この映画にはそれがない。観客の心に響かないストーリーに、ただ市川由衣の鎖骨だけが痛々しい。それに比べればミスゾンビ、なぜ小松彩夏は脱がなかった?!