あらすじ。
ふとした巡り合わせで店を任されることになった主人公。だが思うように客が増えず苦労をする。
必要なのはよそでは作れないオリジナル商品。試行錯誤の末、新製品が完成する。
それをよく思わない老舗の店。数々の妨害が入るが主人公は負けない。
だが老舗の大店の策略で主人公は店の存亡の危機に立たされる。
このとき自分の正体をあかせず主人公を陰から見守っていた人物が主人公を救う。
明かされる謎の人物の正体。
その人のためにもみんなに喜ばれる和菓子を作る続けることを誓う主人公。
京都の町に春の爽やかな風が吹く...
(完)
「京一輪」 放送:1989年10月2日〜1990年3月30日 主演:渡辺典子
このドラマは良かったなあ。渡辺典子もきれいだった。
影から渡辺典子を見守り助けるのは生みの母の水野久美。昨日のドラマに似てるって? いいのだよ。世の中のあらゆる物語の展開は神話に行き着くとさえ言われている。それをどうやって肉付けして読者や視聴者が感情移入できるようにするかなのだから。
さて北川景子だが、映画「花のあと」を見たとき、この人はなんて日本髪が似合わない人だろうと思った。だが昨日のヘアスタイルは良かった。
専門的なことはよくわからないが、おでこを三角形に出すのがポイントではないかしらん。私生活でも友人の漢字屋栞。もう最初からこの人の役割がわかってしまったよ。
でもいいのだ。意表を突く展開もいいが、収まりがいい所にすっと収まるのも大事なのだ。北川景子自身も子どものころ阪神淡路大震災で多くの友だちを失っているのだよね。それとラップして遊郭のシーンはおじさん泣いちゃったよ。あと、連ドラでも共演した平岡。ココリコの遠藤が出てきたのかと。
それにしても北川景子は表情がよくなったね。これが演技なのか彼女の素の部分なのかはわからないが、人気先行だが大器晩成型の彼女、20代後半になってやっと大輪の花が開き始めているのを予感した。私としてはやっつけ仕事の連ドラの主役よりも、丁寧に作られた単発ドラマや映画にもっと出て欲しいのだがなあ。事務所がそれを許さないか。今年はももクロが稼ぐから北川景子はまだいいだろう。
このドラマを見てへええと思ったのが、江戸時代には世界初の料理本が出されていて、ミシュランガイドみたいな料理屋の番付表が作られていたそうだ。そういえば、フランス料理も中華料理ももとは宮廷料理でしょ。ところがいま我々が知っている日本料理、寿司とか天ぷらって町民の食い物だよね。以前に日本が世界を席巻してるアニメやAVについて語ったとき、江戸時代の日本文化の担い手は殿様ではなくて町民だった、その伝統が現代の日本のサブカルチャーに生きていると書いた。そうすると料理の文化も日本は支配階級ではなくて町民が作ったということなのか。その反面、ドラマの最後の方に出てくるこのカット。
再建した北川景子の店のメニュー。おいしそうだけど、江戸時代の食生活はいかに貧しかったかがわかる。工事現場から出てきた人骨で、100年以上前のものは事件性なし、たとえあったとしても調べる手段がなしってことで研究機関に集められるらしい。そこで日本の各時代の食生活がわかるらしいのだが、江戸時代の日本人はもっとも栄養状態が悪かったそうだ。あの時代、役人も町民も1日に4時間くらいしか働かなかったそうだから、江戸時代のように生活のレベルを落として楽に暮らしていくか、現代のように青天井の生活を夢見て過労死寸前まで働くか。いろいろ考えさせられたよ。
いずれにしても