対談

ひさしぶりに登場の鱸さん。
鱸「咲と書いてエミ。あれはだめでしょう」
私「ダブルバインドの名前。一粒で二度おいしい名前ですね」
鱸「名前をいろいろ考えて最後の二つに絞られた」
私「咲(さき)もいいが絵美(えみ)も捨てがたい」
鱸「じゃあ、咲と書いてえみと読むことにしちゃえ」
私「でもいまなら許容の範囲じゃないんですか? 少なくとも日本語」
鱸「美花羅夢と書いて『びっからむ』とか」
私「日本語の50音表ってあるでしょ。日本語はあれを元に作られたわけではないんですよね」
鱸「先に言葉があって、それの音を整理したらああなった」
私「そうそう。だから50音表を組み合わせれば『びっからむ』という単語はできるけど」
鱸「もともとの単語に存在しない音の組み合わせは名前にしちゃダメ」
私「そうなんです。ただ、その規則がどこかに載っているわけではないので」
鱸「あとは教養しかない。しかし、おじいちゃんやおばあちゃんは反対しないんですかね」
私「その世代って団塊でしょう」
鱸「そうか、団塊の祖父母に、団塊ベイビーの両親」
私「はい、30年ごとにバカが再生産されています」
鱸「団塊の世代って日本の高度成長を牽引したと思ってますけど違いますよね」
私「そうです。団塊の功績はバブルと失われた20年」
鱸「高度成長は戦前生まれの人たちですね」
私「日清戦争日露戦争で日本を勝利に導いたのも明治生まれじゃないんですよね」
鱸「はい、江戸生まれの人です。明治生まれは太平洋戦争です」
私「最前線に行ったのは大正と昭和の初めに生まれた人でしょうね」
鱸「生き残った人が戦後の高度経済成長を成し遂げた」
私「しかも優秀な人はみんな戦争で死んじゃったので二軍です」
鱸「そう考えると日本人は層が厚いですね」
私「そう思います。江戸末期の優秀な人はみんな明治維新で死んじゃった」
鱸「二軍の人たちで作ったのが明治政府です」
私「本当に層が厚い。でも我々は三軍ですね」
鱸「三軍です」