なんの見返りも求めないから絆

今年の一文字は「絆」だそうだ。この坊主までもか。震災以降、政府もマスコミも隠すのに必死だ。数々の失策からなんとか国民の目をそらそうと。今年の漢字を選ぶなら「災」か「難」だろう。天災はいつかは癒える。もちろん失った命や家や生活は帰らない。あの瓦礫をどうすかさえ目処が立っていないが、それでもいつかは復興できる。元の美しい東北地方に戻せる。だが福島の人災はそうはいかない。チェルノブイリの例だと本当の被害がわかるのは10年後だ。そのときに裁判を起こして因果関係を証明せよって言われたって被害者はできないよな。さらに太平洋に投棄してしまった放射線の汚染水の賠償問題も待っている。関係する国が環太平洋の20ヶ国。この賠償金が過去の例で見積もると500兆円を超えるらしい。国家予算の倍以上だ。さらに福島の方には申し訳ないが、子どもたちの安全のためには半径100km以内では農作物は作らず、その保障を東電がするべきだと思う。検査されてない米が安く買いたたかれて外食産業に流れているという。東電は新聞やテレビの大口顧客なのでマスコミも口を閉ざしている。結局、日本のマスコミは戦中、戦後からなにも進歩してない、ジャーナリストの良心も誇りのかけらもないことが今回の震災でわかってしまった。すまん、子どもたちよ。ただでさえ重い君たちの未来に、さらに負債を背負わせてしまった。
そんな暗鬱とした毎日だが、ちょっといいものを発見してしまった。

  スイスの中学生たちが日本語で歌う、震災復興へのメッセージ「未来の友達」*1

スイスの中学生たちが日本語で歌っているそうだ。さっそく聞いてみよう。
     
なんだろう、いろんな子が日本語で歌を歌っていると不思議な感動があるね。手をつないで歩いている女の子ふたりが日本のイメージなのだろうか。あんなかっこで外を歩きませんから。でも、街中で聞く最近の中学生の日本語よりよほどきれい。みんなかなり練習をしたんだろう。ありがたいことだ。う、2番の詩がちょっと泣ける。それにしてもスイスの中学校、どんだけ多国籍なんだよ。もう運動会なんかオリンピックじゃないか。てっきりクラス全員がハイジだと思ってたのに、こんな感じなのね。それともこのビデオのためにいろんな子を集めたのかな。4番目に歌う子はかわいいね。てか、これで中学生なの?
つぎは東北で作られた海外へのお礼のビデオ。

  地震に苦しむ日本を助けてくれた世界に贈る「ありがとう」ビデオ*2

8分くらいあるけどまあ見てくれ。
     
こ、これはいかんぞ。泣ける。6分15秒に出てくる道路は海外でもけっこう評判になった。日本人はあのぐちゃぐちゃの道路をたった6日間で直したのかと。最後にいろいろな国の言葉で「ありがとう」って言うでしょ。最後のは余計だから。なにもしないで帰っちゃったし、連れてきた犬がどこかに逃げちゃったんだよね。タロジロ2011になっちゃった。いまごろ焼き肉屋のゴミ箱をあさっているだろう。そんなことはどうでもいいけど、このビデオをもっと外国の人が集まるスポーツの試合とかイベントで流そうぜ。よくできてるよ。マスコミはもっと宣伝しろよ。
先日、開催されたプロ野球アジアカップ。日本、韓国、台湾、オーストラリアの優勝チームが集まってアジアの1番を決めるやつ。今年の開催国は台湾だったのだよ。台湾に留学している日本人の学生が、試合場で台湾の人にお礼を言えるような催し物をしたいと日本のプロ野球連盟に相談したそうだ。当然、まったく相手にされず、しかたないので自分でビデオを作って台湾の野球連盟に持ち込みアジアカップで流せないかと頼んだら快く引き受けてくれた。こんなニュースも日本ではまったく流れないがな。それがこれ。なお、著作権的にどうなんだろうと思う部分がたくさんあるが(ほとんどそうだが)細かいことは言いっこなしだ。
     
後半の部分を見ると、日本では報道されなかったけど台湾の本気度がよくわかるだろう。子どもたちが作った寄せ書きとかは被災地に届いたのだろうか。台湾は、災害に遭った人たちに励ましのメッセージを書くとか募金をするということが、子どもの教育にたいへん良いことだという意識があるそうだよ。まったく同感だ。そういった国々と、子どもに反日ポスターを描かせる国*3では人格形成にどういった差が出るかは言うまでもない。つうか、セーラームーンの絵があるのが許せん!そんなに日本が嫌いなら見るな