北川景子「大女優への道」−謎かけは電話の後で−

第1回を見ただけでは方向性がわからなかったので、来週のを見てからレポを書こうと思っていた。だが、第2回を見たら私の感想が大はずれ、というのもそれはそれで一興。やはり感想を書こう。
まず、私は原作を読んでいる*1。ちょうど同じ月に読んだ「トッカン―特別国税徴収官―」はぜひ北川景子主演で映像化して欲しいと書いたが、この「謎かけは...」は「こちらは北川景子より多○○華子がいい」と書いた。べつに私の読書自慢をしているわけでなく、この作品の主人公は北川景子に向いてないと思った。私は伊坂幸太郎など作品の感想で「悪役さえも魅力的」とよく書く。それが一級のエンターテイメントであろう。この「謎かけ*2」は残念ながら主人公の人物造形に難がある。主人公だけでなく、執事、レギュラーの刑事、みんなそうだ。それがこの作品の性質なのか、作者の筆力なのかは、ほかの作品を読んでないのでわからない。この小説としての欠点は、逆にドラマを見たときの抵抗を少なくする。なにしろ主人公ってどんな人だかよくわからないので、ドラマでは誰がどのように演じても読者は「ああ、それもありだよね」とそれなりに納得できるのではないか。よって、この作品だけは原作があるドラマにありがちな「原作と違っててがっかりした」という感想は少ないと思う。
その上で、このドラマをどのように楽しめばよいか、自分に言い聞かせるつもりで書いてみる。そこまでしないと最後まで見る自信が無い*3。この作品はミステリーの分類で言うとアームチェアディテクティブ(安楽椅子探偵)に属する。探偵役は事件の現場に行ったり調査をしたりせず、ワトソン役の話だけ聞いて犯人を当てる。つまり映像的に非常に地味になってしまうのだ。23時台の30分ドラマにはちょうど良い素材ではあるが、ゴールデンにはそもそも向かない素材なのである。よって、この地味な原作に派手な演出が必要になる。しかも執事役は櫻井、出番を多く作らなければならない。さらにそれなりに売れた本なので、極端な改変は作者やファンが黙ってない。これらの制約条件でドラマを作るなら第1回のような流れになることを私としては納得する。屋敷に戻ると主人公がドレスアップして、最後はその姿で執事を引き連れて犯人のところに行く。一種の変身ヒーローものだ。それなら昼間と夜にもっと落差を付けた方が良いと思うのだがどうだろう。いっそ昼間は森三中の大島で、夜が北川景子。それじゃあハンサムスーツだよ

*1:http://d.hatena.ne.jp/M14/20110511

*2:もう元の書名がなんだかわからなくなってるよね

*3:ヲイヲイ