サイレント・マジョリティ2011

1年くらい前に相撲中継を中止にした問題についてサイレント・マジョリティとノイジー・マイノリティの話をした*1。これを「物言わぬ賛成派」「声高に叫ぶ反対派」と言い換えてもいい。数日前のコメント欄に書いたニュースが予想どおりの展開になってしまった。事の起こりはこうだ*2

  ・愛知県の日進市東日本大震災の復興支援を掲げ

   岩手、宮城、福島県の花火各80発を打ち上げる予定だった

  ・「放射性物質をばらまくのか」「安全は確認しているのか」などの苦情や問い合わせが

   電話やメールで約20件寄せられたため、福島県の花火は取りやめた

この花火を作った会社は計画的避難区域外だそうだ。そもそも花火なんて火薬と紙から作るのだろう。農産物のように地中から出てくるものではないのでなんの問題があろうか。この花火が怖いのなら、福島県の人がこの市に立ち入るときにいちいち検査をするのだろうか。私はこの日進町に行ったことがないし、どこにあるのかさえ知らん。だが、ほとんどの市民は「いいじゃないか、福島県の花火。どーんと打ち上げてみんなで盛り上げようよ。福島県の人は招待してるの? お見舞いや激励のひとつも言いたいなあ」と思ったはずだ。そっちがマジョリティ、多数派だったはずだ。
この問題、予想どおりの結果になった*3

  この問題に関する電話やメールが計約3350件寄せられ、うち9割が批判や抗議

反対の電話やメールが20件で中止。それに対する批判や抗議が3,350件。結果的に福島県のみならず、日進市自身の名誉を傷つけてしまった。福島県の業者に謝罪に行ったらしい*4。だが記事をよく読むと「うち9割が批判や抗議」とある。残りの1割は「よくやった。我が日進町を放射線から守ってくれてありがとう」だったのだろうか。
これで思ったのが、先日の京都もそうだが東日本と西日本では感じ方が違うかもしれない。東日本とくに東北・関東の住民以上に、西日本の人は福島県から出たものが怖いかもしれない。それは東日本の住民が優しいとか、同じ地域の連帯とかそういうものではない。東日本の人たちは政府やマスコミは隠しているが、きっとヤバイ量の被爆してしまっているのだろうと心の底で思っている。そして自分の骨髄だか甲状腺だか脳細胞がすでにちょっとだけ逝っちゃってるのだろうと口には出さないがあきらめている。だからいいのだよ。その花火、千葉県に持って来いよ。市川市に持って来いよ。福島県の米と牛肉と野菜を食いながら、福島県の牛乳を飲みながら、福島県の美女を侍らせながら*5、花火観戦をしてやるよ*6