こんなキャラクター商品があったのか!

6月に読んだ本*1で紹介した岩井志麻子の「現代百物語」の新作である
     

現代百物語 生霊 (角川ホラー文庫)

現代百物語 生霊 (角川ホラー文庫)

を読んでいる。その中にみんなに教えたい話がある。私のポリシーとして営業妨害になるような記事は書かない。だがこの本は見開き2ページの話が99個もあり、ここでその1つを紹介したとして本の売り上げが伸びることはあっても落ちることはないだろう。まずこの本は、幽霊や心霊現象の話もあるが、ほとんどは「怖い人間」の話。ここで怖い人間とは乱暴な人ではなく、精神の一部が壊れてしまっている人の話だ。第四十九話もちょっと壊れているソープ嬢の話。さすがに転記は作者に失礼なのでところどころ要約する。
 あるテレビ関係者から聞いた話。彼はある日、酔った勢いでアングラな風俗店に入った。ついた子は全身に刺青をしている。いままでにもいろいろな刺青は見たが、彼女の刺青はなんとセーラームーン

  男「全員を彫っているんだね」

  その子はちょっと不機嫌になった。

  女「よく見てよ」

  男「セーラームーンに詳しくないのでわからないよ」

  女「セーラー××だけいないでしょ」

  彼女はつま先だって一回転して見せた。

  男「そのセーラー××ってキャラクターだけ嫌いなのかな?」

  彼女は全裸のまま、セーラー××の決めポーズをとって見せた。

  女「私がセーラー××なの。だから、この中にはいないの」

  彼は慄然し、あまりの恐怖にどうしても勃たなくなったそうだ

この話の怖さはわかるか。彼の談話。

  背中一面に般若や龍、なんてほうがマシだよ。

  そういう刺青を彫らせる人の境遇や人生というものはだいたいわかるじゃないか。

  だけどセーラームーンは見当がつかなかった。

  ヤクザの情婦になるより、こっち側に帰って来られない人になってるんだよ

もちろん、これはいままでの価値観の中での話であって、あと10年くらいするとアンパンマンハルヒの刺青をした風俗嬢が当たり前になるのかもしれんが。でも刺青やよせ。コスプレだけにしておけ。それにしても彼女が好きなのは誰だったのだろう。セーラーマーズのような気がする