北の国から2011

今回は2泊3日で札幌と富良野、美瑛を回る強行スケジュール。しかも行きの飛行機が取れなくて羽田発が16:30。実質の北海道での滞在時間が2日を割っているという、そこまでして高い航空運賃を払って北海道へ行くなよと。ただ、逆に参考になるかと思い、2日間の行動を振り返ってみる。
【1日目 18:00 千歳】
札幌に到着。なんでこんなスケジュールになったかというと、さすがに就職した娘はもう親と旅行には行きたくない。それで私ひとりだけで北海道に1週間くらいの一人旅がしたかったのだ。その代わり、女房と娘は秋か冬に台湾旅行に行ってくれと何ヶ月も前から言っておいたのだよ。10万円を渡すからそれを向こうで使い切ってくれ、それが義援金200億円超、支援物資560t超へのせめてもの恩返しだと*1。そうしたら女房も北海道に行くだの、子どもの休みに合わせるだの、2泊以上はしたくないだの、いろいろ条件が付いて、しかも7月末まで子どもの休みが決まらなかったので、もう良い時間の飛行機がぜんぶ満席だったのだよ。
新千歳空港に着いてたまげた。みやげ物屋があるフロアーが様変わりしている。店が変わっているだけでなく、フロアのレイアウトが変わっている。従来のみやげ物屋が並んだスタイルからショッピングセンターっぽくなっている。海外から来た人が乗り継ぎ便を待つ時間に金を浪費できるように楽しめるように、地元の人から金を搾り取るようにが楽しめるようにしたんだろうな。ドラえもんのテーマパークっぽいのもできたような。あまりに変わったので勝手がわからん。レンタカーのカウンターが探せん。レンタカーのカウンターは前と変わってなかった。そもそもこの日は札幌で晩飯を食って寝るだけなのでレンタカーを空港で借りる必要がなかったじゃないか。翌日に札幌で借りれば十分だった。空港から札幌市内の運転が疲れるだけだった。
けっこう高速道路が混んでいる。といっても平均90km/hでは走れるので北海道として混んでいるだけなんだが。札幌市内に入って高速を降りると一般道が空いている。しばらくは平均90km/hで走って、高速道路と一般道の区別がなかったりする。ちなみに借りた車はトヨタのVitsの新型。なんだよこれ、私の車よりエンジンが静かじゃないか。私の車がうるさいのか(ラウムの旧型)。同じトヨタだからか、去年に借りたマーチよりアクセルやブレーキの遊びがラウムに似ていて運転しやすい。私のラウムは遊びがありすぎて、レンタカーに慣れてから乗ると同じ踏み幅で止まらないので焦る。
【1日目 20:30 札幌】
ホテルに着いて、寿司とかジンギスカンとか北海道っぽいものは食い飽きている私と女房。札幌駅前の大丸にあるザ・ブッフェ*2に行く。私が知っている2千円台のバイキング形式のレストランではここが日本一。魚が苦手な人が北海道に行ったらここで飯を食うのがよろし。ホテルのバイキングもそうだが、ここ数年で値上げをするか、値段は据え置きで料理の質を落としているところがほとんどだかここは変化なし。
【2日目 10:30 札幌】
女房がマッサージに行きたいというので私は自由時間。と思ったら電話がかかってきて順番が12:20なのでそれまでヒマだと。勝手に時間をつぶせよ、それが大人の流儀というものではないのか。しかたないので駅まで行って地下鉄で2駅、ケーキ屋に行く。北18条の駅から徒歩3分のチェリーメリー*3。ケーキとパフェの店で、店内で食べられるので札幌に住んでいるときによく行った。まだあったんだ。見た目のきれいさでフルーツ系から入るが、ナッツ系のクリームもおいしい。住宅街なので回りは観光するようなところはなにも無いので、よほど時間が余ったときでないと行けないが、素朴なおいしさで私はここがいちばん好き。
ケーキを食って地下鉄で札幌駅に戻る。ホテルまで車を取りに行くのがめんどうなので地下鉄で移動した。ますます空港でレンタカーを借りたのが無意味に。ここで以前も書いたことがあるが札幌の地下鉄の説明。まずは軌道。
     
線路が無い。札幌の地下鉄は電車じゃなくて、タイヤで走る新交通システムなのだ。鉄道というより真冬でも時間どおりに来るバスのイメージなので駅間が短く、加速と減速に優れているのはこっちだったそうだ。あとは、荷物を載せる網棚が無い。
     
これは慣れるのに時間がかかった。大きな道路の真下に造っているのでカーブがきつく荷物が落ちるかもしれないので網棚を作らなかったと聞いたことがある。だがカバンが吹っ飛ばされるカーブならその前に人間も吹っ飛ばされているので考えすぎだ。札幌の地下鉄は冷房が無い。冷房の代わりに夏になると
     
風鈴が付く...○| ̄L...フィジカルは変えずにメンタルに温度を下げる作戦。東京・名古屋・大阪なら暴動が起きるだろう。
札幌駅に戻って女房はマッサージ。私は新しくできた札幌駅と大通りを結ぶ地下道を歩いてみる。もともと大通りとすすきのは地下街で結ばれている。最近、札幌と大通りの地下道ができて、これで真冬の吹雪でも札幌の繁華街は地下道だけで移動ができることになったわけだ。地上の店は死亡フラグが立った。
     
ひ、広い。札幌駅とすすきのを南北に結ぶ片側3車線の駅前通と同じ幅の地下道を造ったのか。これ、有事のときは戦車が2台並走できるだろ。天井が低すぎるか。両側の丸い柱はみせかけで、これを取っ払うと真駒内基地の戦闘機が地下道を走ることができるとか*4
大通りで地上に出て大丸藤井セントラルに向かう*5。写真はないけど、東京でいうと銀座の伊東屋。文房具専門のデパートだな。ここでいかにも「デキる男」と思われるようなノートを買った。1,600円なり。ホテルの戻る途中、日本三大がっかり観光地の札幌時計台を通る。
     
裏から撮すとさらにがっかり。日本三大に入るかどうかわからんが、北海道三大がっかりには確実に入る羊ヶ丘のクラーク博士像*6。なんにもない丘にポツンと像があるのでがっかりなのだ。やはり時計台をここに移転するのが良い。そばのタリーズで休憩。
【2日目 14:30】
女房と合流していざ富良野へ。もう2時半なんですけどお。雨が降ってきた。富良野と美瑛は雨が降るとどうしようもないんだけどな。高速に乗って旭川方面。走行車線を100km/hで走っているわたしの横、追い越し車線を矢のように抜いていく車。あいつら150km/hで走っているのか。三笠で降りて一般道。この三笠は古代の化石がいろいろ発掘されて一時「恐竜の町」って言い切ってたような。博物館、といっても小学校の体育館みたいなところにでかいアンモナイトの化石が無造作に置いてある。市のHPを見たら民宿アンモナイトだって*7。だめだろう。三笠を抜けて山道に入る。桂沢湖を右手に見てどんどん山道。雨が強いよ。札幌から1時間半くらい走るとそこは富良野
【2日目 16:00 富良野
富良野に行くとまず寄るのが、あまりの雨で写真を撮れなかったけど「ダウンヒル*8」。ここのソフトクリームは世界最高水準なのではないか。濃ければいいというものではない。しつこいと思える一歩手前、牛乳と生クリームの配合バランスが絶品。そこから中富良野に向かう。道が混んでそうなので裏道を走る。農道なんだが、幅6mくらい、道が果てしなくまっすぐで信号もないので国道よりはるかに早い。中富良野のファーム富田に到着。遅咲きラベンダーがお出迎え。
     
うう、人が少ない。去年までは山のようにいた台湾人、中国人、韓国人がいない。台湾人がいたら全員にラベンダーソフトを買ってやるくらいの覚悟があったのに。このラベンダーソフト、ソフトクリームにトイレの芳香剤を混ぜたような味がする。だんだん暗くなるし、雨は降るし、人はいないし。しかたないのでラベンダーのアップ。
     
女房が香水や石けんを買い込んで宿泊地である白金温泉に出発。ここは美瑛から東にそれてしばらく行ったところにある、この界隈では唯一の温泉地。といってもホテルが2軒しかない。以前に泊まったのは大きいホテルだったが、そこが取れなくて隣の小さいホテル。どうも観光客は大きい方に泊まるみたいで、こちらは地元の人しかいないぞ。
【3日目 10:00 美瑛】
なんとか天気が持ちこたえている。ホテルを出発し、白金温泉の新しい観光スポット「青い池」に向かう。なんでも地中のアルミニウムが溶け出して、本来ならこういう色になっているらしいが*9、昨日の豪雨で
     
ただの池...○| ̄L...だめじゃん、豪雨。美瑛の「三愛の丘」に向かう。ここにあるレストランのソフトクリームが鬼のようにうまい*10。昨日のダウンヒルのソフトクリームは生クリームのおいしさだったが、この店は牛乳100%。ぜひ食べ比べてくれたまえ。店の前ではあじさいがお出迎え。
     
【3日目 11:00 美瑛】
まだ時間があるので拓真館*11に向かう。ここは写真家・前田真三のギャラリーで、富良野・美瑛の丘の写真として読者諸君も一度は見ているはずだ。私は、べつにギャラリー自体はどうでもよかったのだが、ここが美瑛の奥地にあるので、ここを目指して走ると途中で美瑛の風景が見られるわけだ。
     
隣にでかい駐車場やトイレ、向かいにみやげ物屋があるので観光バスが必ず立ち寄る場所になっている。中で写真を見ていると中国語が聞こえる。おお、やっと巡り逢えた台湾の団体客。たぶん、垢抜けているので中国じゃなくて台湾だろう。残念ながら時間が無いので空港に向かわなければならない。私がトイレに行っている間に、女房が台湾のカップルに義援金のお礼を言う。ふつうに日本語で話して、向こうは日本語がわからないのでお礼にならなかった。でも台湾に帰ってから「変な日本人に話しかけられてなにか言われたアルよ」「ああ、それきっとお礼アルよ」「日本人、義理堅いアルね」とでも話してくれたら幸いアルよ。私の観光がすべて終わったところでまた雨が降り出す。豪雨の中、旭川空港に向かった。
慌ただしすぎ、走行距離長すぎ、駆け足の札幌・富良野・美瑛3日間であった。やっぱり一人旅1週間だろう