災害マニュアル

ディズニーランドで夜を明かした人の体験談がいろいろなところに上がっている。ここはJRが止まったら陸の孤島になってしまうので、当然、客は朝まで足止め。それでもスタッフはあくまで夢の国を演出するために手厚いもてなしをしている。ここがいちばんリアルで面白く書いてある*1
もちろんこんなことがスタッフの即断でできるわけがない。災害マニュアルがあって、細かく対応が決められているのだ。さすがディズニーリゾート。それでは私が体験したもう一つの災害マニュアルの話をしよう。ある全国チェーンのカフェである。私はその名前をここで曝して糾弾したい。だが、その店名と過去の記事にある情報を合わせると私の勤務先が特定できてしまう。命拾いしたな、○○○よ。そこの従業員がこの記事を読んだら自分の店だとわかるはずだ。深く反省せよ。
11日の金曜日、実は月に1回の定例会で鱸さんと昼食。どうでもいい世間話をして2時半ごろに会社に戻ってきた。エレベータホールに着いてボタンを押したらランプが付かない。あれ?と思ったら「地震警報、地震警報!」なになにと思うまもなく揺れ出した。高層ビルというのは柔構造にするために天井や壁はパネルが緩く取り付けられてあるので地震が来ると必要以上にガタガタと音がする。地震が来たらビルから出てはいけない、窓ガラスが降ってくる危険があるという教訓を知りながらも外に出る。なるべくビルから離れようと思うのだが、地面が揺れているのでけっこう歩くのが難しい。立ち止まってビルを見上げると、音だけは盛大だがさすがは日本の耐震建築物、私が勤務しているビルだけでなく回りのビルも変化なし。揺れが収まったので勤務場所に行こうと思ったらエレベータが停止。非常階段も点検がすむまで立ち入り禁止。しかたないので、1階にある某カフェに入る。
同じ事業部のやつが2人いた。家に電話しようと思ったがつながらない。メールも送れない。2人のうち1人がiPadを持っていたのでしばらくするとWiFiでネットに接続できて震源地などの情報を得る。館内放送でエレベータはまだ使えませんと流れる。うー、階段で上がるのはつらい。もうしばらくここにいよう。と思ったら余震が起こる。なにしろ最初に縦揺れがドカドカ来るので、これはでかい。すると信じられないことが起こる。店員が

  危険ですから外に出てください

とビルの外に出される。ちょっと待ってくれ。高層ビルの真下は危険なんだよ。ガラスが割れたら降ってくるんだよ。みんなしぶしぶ外に出る。揺れがおさまり店内に戻る。しばらくするとまた余震。また店外に出される。なんだよこの店。もしかして、

  店内で怪我人を出すことがないように、地震が来たら客を外に追い出せ

とマニュアル化されているのか。あのな、客が自主的に店外に出て怪我をしたらしかたないが、おまえらが外に追い出して怪我をしたら責任は免れないぞ。向かいの別のカフェはなにもしてないだろ。みんなもこの店で地震に遭遇したら生存確率が著しく下がると思った方がいい。この店がどうしても知りたい人はメールをください