9月に読んだ本

逆立ち日本論 (新潮選書)

逆立ち日本論 (新潮選書)

養老孟司との対談集。ユダヤ人とは何かから始まってアメリカ論、日本論に進む。内容はもう忘れちゃったけど読んでいる間だけ楽しければいいの。


虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)

虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)

日本SFの金字塔!とかって評されているんだよね。私は基本的にはSFって苦手なのよ。だけどこれは面白い。世界中で内戦が起こる。それもとんでもない虐殺で死体の山が築かれる。終わってみるとその首謀者もなぜそこまでむごたらしいことができたのか覚えていない。そこにいつもある人物が関係していて、それを追跡する主人公の話。ね、面白そうでしょ。近未来なんだけどそれほど未来でもなくて我々が生きているいまの世界と離れてない。だからミステリーとか冒険小説というカテゴリに入れてもいいくらい。「SFってどうも...」という人にこそお勧めする。それにしてもSFってなんだ?


喜劇綺劇―異形コレクション (光文社文庫)

喜劇綺劇―異形コレクション (光文社文庫)

ホラーの書き下ろしアンソロジー「異形シリーズ」。今回は喜劇がテーマ。いや、これは無理がある。ホラーと喜劇は融合せんよ。外れの無いこのシリーズだったがこれは好きになれない。と思ったら、最後から5つ目、「地図男」の真藤順丈の話がやたらクオリティが高くてそこからうしろの4編は満足。編者もわかっていたのね。


統計数字にだまされるな―いまを生き抜くための数学

統計数字にだまされるな―いまを生き抜くための数学

この手の本ってよくあるけど、これはためになったなあ。どこがためになったか、いまはまったく思い出せないんだが。ダメじゃん、オレ。


パラドックスの悪魔

パラドックスの悪魔

ちょっと前の記事で紹介したね。数学、宇宙、生物、いろいろなところに潜むパラドクスを紹介した本。もう少し突っ込んだ内容が読みたかったな。


掏摸(スリ)

掏摸(スリ)

この作家はブレイクしつつあるよね。スリを生業とする青年があるきっかけで知り合った男の手中にズボズボとハマる。この男っていうのが悪の天才みたいなやつなんだな。ここまでの紹介を読むと「ははあん、主人公が持ち前のスリの技を使ってこいつを出し抜くんだな」と思うでしょ。違うんだよ。


続・反社会学講座 (ちくま文庫)

続・反社会学講座 (ちくま文庫)

面白かったんで続編も買っちゃった。どちらも実は作者のホームページに書いているコンテンツに加筆して本にしただけなんだよね。だからわざわざ本を買わなくても内容の9割くらいはタダで読める。でもHPに書いてあるボリウムのでかい話ってなんか読む気がしないんだよね。その読む気のしなさって、iPadみたいな電子デバイスの進化で解消されるものなのか、紙に印刷された活字を読むことが快感なのか、その答えが電子出版の未来だと思う。うん、Leo16さんのブログは紙媒体向きかもしれない。


ぼくのメジャースプーン (講談社ノベルス)

ぼくのメジャースプーン (講談社ノベルス)

主人公は小学生。この子の家系はある特殊な能力を持つ子どもが産まれる。お父さん、お母さんはふつうの人。主人公はその能力を持っている。物語はその能力に気づくところから始まって、友だちの復讐をするところがクライマックスになるのだが、物語はそれほどストレートではない。そもそも私はこの作者が描く主人公がどれも好きになれないのよ。たぶん作者はそれをわかって書いているのだと思う。
こうして振り返ると、9月はイマイチだったね。10月に期待しよう