私のバンクーバは終わった

こんなニュースがあった*1

  「マラソン走るのが遅い」と鉄パイプで小1長男殴る、父親逮捕


  「走るのが遅い」と小学1年の息子を鉄パイプで殴ったとして、群馬県警下仁田署は16日、

  傷害の疑いで、同県下仁田町川井、無職、○○○○容疑者(33)を逮捕した。

あのな、子どもの虐待以前の問題として

  息子のマラソンより、自分が定職につくことを考えろ

なんなんだよ、こいつ。いや、自分が定職につけないから息子をマラソン選手にしようとしたのか。それまで何年かかるんだよ。それにマラソン選手では食っていけないぞ。むしろ息子を一流の選手にしようとしたらべらぼうな金がかかる。それでも元が取れるのはほんの一握り。いや握れるほどいない。砂浜で砂の粒をピンセットでつまむくらいじゃないかな。
そのひとつまみの上村愛子のオリンピックが終わった。過去4回のオリンピックでこれほどトップとの差が歴然と開いた大会もなかったのではないだろうか。もう予選を見たときメダルはないなと素人の私でもわかったよ。あとは上位の選手がコケてくれることだけだった。アメリカの選手がコケたとき「よーし、もう一人コケれば銅メダルだ」と思ったが、そこは一流の選手が集まるオリンピック、そうそうはコケない。上村愛子の滑りにとくに問題はなかった。敗因はただひとつだけ。

  オリンピックが去年ではなく今年だったこと

本当にこの1点だけだ。トリノのときにも書いたが、冬季オリンピックは過酷である。歴史が浅く発展途上のウィンタースポーツ、もう大会ごとに新しい採点方法、新しい技術、新しい道具が出る。私は柔道で4回のオリンピックに出るよりウィンタースポーツで4回のオリンピックに出る方がはるかに大変だと思う。一流のターン技術を持った上村が、一流のエアー技術を身につけて臨んだ前回。だがスピードという課題は残したままだった。そこでターンをカービングターンに変えて、それに耐える体力を身につけて臨んだのが昨シーズンのワールドカップ。当然、上村に敵なし。
だが世界の強豪が同じ技術を身につけるのに1年とかからなかった。もう今年のモーグルは遠目には直滑降だよね。この滑り方だと身体が大きく体力がある方が有利。もはや上村に勝ち目はない。だが、それは上村自身が開いたパンドラの箱だった...
試合の翌日に更新された上村愛子のブログ*2。私は泣いたよ。あれ、いま読み返したら最初に読んだのと少し内容が違っているような気が。書き直したのかな。最初のはもっと自虐的だったのだが。誰がなんと言おうと、トップアスリートでありながらここまで過去の自分を捨てながら進化をしていった選手を私は知らない。12年目のオリンピック4位、すばらしいじゃないか。カービングターンに乾杯!