多岐川華子「はじめての生放送」(後編)

この後は会場内に何ヶ所かある著名な園芸家によって作られた庭の紹介になる。

  深沢「このあとはテーマガーデンをいくつか見て回ります。どうですか?」

  華子「はい、ほんとにこんなに個性豊かなお庭をいちどに見る機会ってあまりないですからね」

  深沢「たしかにねー」

  華子「だからほんとに楽しみです」

カンペも出てないようなのに立派なコメント。ほんとにご成長されました。これでNHKに認められれば来年の大河ドラマのチョイ役も夢ではありません。最初の庭、制作者のビデオが流れて、村上さんも加わって3人で中に入る。中央の奥に金色の像が立ってる。
     

  深沢「どうですか、多岐川さん」

  華子「なんか、すごくまばゆい感じがします」

中央の金色の像を見てそう思ったんですね。園芸研究家の村上さんにポイントを聞く。

  村上「向かって左側は青系統の涼しげな花が植えられていますね。

     右側は赤や黄色の暖色系の花が植えられていて左右で対照になっているんですよ。

     それをまとめているのが中央の白い花なんです」

ぜんぜん違う。ポイントがまったく違う。あの金色の像はどうでもいいんだ。てか、そんな難しいことを華子様に聞くなよ、深沢。華子様は自動車免許を学科の授業*1で挫折したお方だぞ。大金持ちは難しいことを考えなくてもいいんだ。
つぎのテーマガーデンに行く。テーマは「今夜こそプロポーズ」
     

  華子「今夜こそプロポーズって、なんかドキドキしちゃいますねえええぇ〜」

  深沢「女性だと見る目も違いますよね。見るポイントを教えていただけますか」

  華子「・・・・・」

   (村上さんが華子様に手で合図してせかす)

  華子「あ、すご〜い」

わかったよ。いまの深沢さんの動きでわかった。ここは華子様が「すご〜い」って言うところだったんだね。さすがNHK。途中で3人が交わす主な会話は台本があったんだ。華子様のコメントもほとんどは台本どおりだったんだね。でもそれならそれで華子様はすごいです。1カットごとに台本を確認できるドラマや録画のレポと違ってこれは生放送。番組開始前に台本を覚えてリハーサルをやったらあとは台本を見る機会なし。これだけできれば華子様は舞台だっていけます。
     

  華子「白い椅子があって花束があって・・・なんか・・・いろんなストーリーが・・・見えてきますねぇ〜素敵〜」

  村上「中央の花束もいいんですけど、なんといっても左右対照のシンメトリーにできているのがいいですね。

     プロポーズをする場所は安定感が必要です。あと、夜のイメージなんで暗い花を両側に植えています。

     正面の壁に月の模型がありますね。その回りの白いバラが星をイメージしてるんですよ」

こういうところは台本に無いのね。だったら村上さんの前に華子様にしゃべらせないでよ。華子様もオブジェではなくて花についてコメントしましょうよ。これは花の展覧会なのですから。それでも深沢アナや村上さんの話に「きれぃ〜」とか「わあ〜」とか「なるほど〜」とか合いの手を入れて、画面に映ってなくても華子様がいるのがわかります。ぜひ、今度バラエティ番組に出たときもそうやって参加してください。
華子様がだんだん飽きてきたところでちょうど番組も終わり。宍戸と華子様それぞれに感想を求められる。
     

  華子「人それぞれにいろんな空間が作れるんだなあってことにも驚きましたし

     バラは知らば知るほど奥深い魅力があって感動しました」

無口な華子様の20年の生涯で口から発した「バラ」の回数よりも、この1時間で多くの回数の「バラ」を言ったので「知れば知るほど」が「知ラバ知るほど」になってしまった華子様。でも天下のNHKの生放送、大過なく終わりました。やった、これでまた一歩、野望に近づいた。いや、華子様に野望はない。華子様の夢は「そのときそのときを幸せに過ごせればいいです」
それにしても、たった1時間の生放送でもこんなにハラハラなのに、毎週2時間半の生放送をやってる安座間美優はすごいなあ

*1:試験ではなくて授業