北川景子「大女優への道」

ちょうど1週間前にこんな記事を書いた*1。若手女優の前に立ちはだかる時代劇の壁。北川景子はむしろそれを楽しみながらなんなく乗り越えるのかと思ったのだが、やはり壁だったか。

  何をやっても思うようにいかず、元々無かった自信をさらに喪失した1日でした。

  時代劇の難しさをまざまざと見せつけられたような気がします。

日本で女優業をするには避けて通れぬ時代劇。なら欧米の女優はいいのかというと、やっぱり中世を舞台にした映画に出る場合は同じ問題が出てくるのではないかな。ようするに、自分がいま生きている時代の文化とは別の文化を生きている人を演じるという点では同じ事なんだと思う。たとえば将来に北川景子が「恐竜100万年」に出演するなら腰に毛皮を巻いてマンモスを追いかけなければならないだろう。当然、その時代の所作なり様式美を身につけなければならないのだ。

  初めてだからわかりませんでした。とか

  やった事がないので上手く出来ませんでした。というのは

  賃金が発生する労働をする上で

  通用するはずの無い最低の良い訳なのでしません

面白いことをいうなあ。いや、正論だし、私も言われたし私も言ったことがあるセリフだが、芸能人はなかなか言わないセリフだよね。もう北川景子と華子様をブレンドしたら、楽に生きる北川景子と、タレント業に打ち込む華子様ができあがると思うのだが、それは両方とも魅力がないか。
このセリフで思い出した本がある。芥川賞を取った人の2作目だか3作目だったが、アイドルをめざす女の子の栄光と挫折の話だと思った。こう書くと安っぽいが、かなりどんよりした物語だと思った*2。タイトルにもなっている「夢を与える」というキーワードだが、これはタレントが良く言うでしょ。この本の登場人物の一人が、それはあまりに傲慢なのではないかと感想をもらす。たとえばラーメン屋は「私はお客さんにおいしいラーメンを与えたい」「ラーメンを通じて至福の時間を与えたい」とは言わないだろ*3。だから夢を与えるとはなんて偉そうな言い方なんだと。
こっから論説を展開して話を思わぬ方向に持って行って最後にオチを付けようと思ったんだが、風邪を引いちまって頭が痛いんだよ。だからきょうはもう止めるわ。これは賃金が発生しない労働をする上で通用する言い訳*4だと思う

*1:http://d.hatena.ne.jp/M14/20090311

*2:思ったって、もう内容を忘れてる

*3:中にはそういう勘違い野郎もいるかもしれないが

*4:「いいわけ」は「良い訳」ではなくて「言い訳」だろ