安座間美優「人生に必要なことはすべて安座間美優が教えてくれる」

まずはこちらをご一読いただこう*1。cap5lpさんの渾身のレポである。安座間美優の主張は

  『愛してる』って言葉が嫌なんですよ。

  なんか重いってゆうか、愛してるって言われたら、『エッ?』って引いちゃうんです。

  「好き」の方がいいんですよ。

安座間美優は気取らない話し方なのでうっかり聞き過ごしてしまいがちだが、その言葉の裏に深遠な思想があることは過去に何度か書いた。ここ*2とかここ*3。ただ、あまりに深い内容を日常語で話す、まさに哲学が本来あるべき形を発現しているので常人にはなかなか理解されない。そこで今回も私が補足をしよう。
私はかねがね「I love you」の訳語に「愛してる」を当てることに疑問を持っている。先日もニュースを見ていたら米国だったと思うが20才くらいの息子が父親に「父さん、愛してるよ」と言っていた。私はセーラー戦士や華子様はまちがいなく愛している。娘も愛している。だが女房は「愛している」とはちょっと違う感情だ。もちろん、ことさら夫婦仲が悪いという特殊事情はある。だが、両親になるとまちがいなく「愛している」とは言えない。私にとって、セーラー戦士、娘、女房、両親に共通して持っている感情を表現する言葉は「愛してる」ではない。
もし「I love you」の訳語が「愛してる」であるなら、欧米人の「愛」と日本人の「愛」は別の感情だと思う。もしそれが同じ感情であるなら、「love」の訳語は「愛」ではない。いや、「愛」でもいいのだが、「愛」を包括するもっと別の感情なのではないか。セーラー戦士と女房、華子様と両親、ここに矛盾無く共通の言葉を当てはめるなら、少なくとも私には「私はあなたを愛してます」ではなく

  あなたは私にとって大切な人です

だ。その大切さの形の一つが日本語で言うところの「愛」ではないかと思う。以前に私がもっとも号泣した映画と言うことで山田太一原作の「異人たちとの夏」を紹介した*4。この最後の方、異界に帰る母親(秋吉久美子)が息子(風間杜夫)に言う言葉が「おまえのことを大事に思っているよ」だ。これが欧米人の親子が言い合う「I love you」なのではないかと思う。
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と、いうことを安座間美優は言ってるわけだ。もちろん「愛してるって言われたいわ」と言っておいた方が無難であるし、可愛い女性と思われるだろう。だが、安座間美優はあくまで自然体。それに思索の深さが並のタレントとは桁が違うのだ。あるがままに生きるがよい。これからも思った通りのことを発言したまえ。私がすべて解説をしよう