セーラームーンで中国語(act2)

このシリーズの難しさは、文の中に知っている漢字なり単語がまったく出てこないと企画として成立しなくなってしまうことだ。たとえばact2で印象に残るこのセリフ

  當午餐ロ巴(慣れてるし)

ほら、お手上げでしょ。せめて「慣」が入っていれば中国に対してシンパシーが湧くと言うものだが。でも画面のキャプチャーまで取ってしまったのでもう少し考えよう。
注目すべきは3文字目。これは「晩餐」の「餐」だよね。その前は「午後」の「午」。すると「午餐」とは昼食のことではないかと想像がつく。
最初の字の「當」は調べてみると日本の漢字の「当」だそうだ。漢和辞典で漢文の用法を調べてみる。

  動詞や形容詞の前に置かれ「まさニ・・・べシ」

なるほど、「当然」の「当」のニュアンスね。最後の口偏に巴は漢文だと「〜や」あたりの感嘆詞のような気がする。以上をまとめると。

  まさに昼食よ

     ↓

  まさにこれが私の昼食よ

     ↓

  私の昼食は必ずこうなるのよ

     ↓

  いつものことよ

ということではないかな。だが、この訳はいただけない。ここでの亜美のセリフは一人で食べる昼食に限定してない。私に言い寄ってくる人は、私個人と仲良くなりたいのではなくて必ず打算がある。その相手に対する怒りと哀しみ、自分自身の魅力では相手を惹きつけることができないことがわかってしまう自己嫌悪と絶望。月野さんだけは違うと思ってたのにやっぱりほかの人と同じだった。でも、こんなことはよくあることだから悲しくなんかない。と、そんな気持ちがつまった「慣れてるし」なんだよな。
絶対無理だと思ってた中国語なのに、なんとか解明できたよ。久しぶりに漢和辞典も引いたし。私自身はそれなりに満足なんだけど、今日の日記は読み物としてちっとも面白くないね。でもいいんだ。慣れてるし...