北川景子「大女優への道」−「モップガール」第2話レポ−

第1話のレポで、犯人の動機があまりにも説得力が無い点を指摘した。だが、それは見当違いな意見であることが第2話を見てわかった。私はこのドラマを

     コメディで味付けしたヒューマン・ミステリー

だと思っていたのだが、実際は

     ヒューマン・ミステリーのパロディであるコメディ

だった。だから犯人の動機はありえねえ〜というほど無理があったほうが良いのだ。それを見抜けずあんなことを書いた自分が恥ずかしい。トゥルー・コーリングとの類似性が指摘されていたが、似てるもなにもパロディなのである。だから事件当日の朝まで時間をさかのぼってもほとんどの時間はあたふたとして無駄に費やされる。なにしろ容疑者がいる東証一部上場企業まで一人で行くことができないくらい主人公はアホなのである。ミステリーなら関係者をホールに集めて名探偵が事件の真相を話す場面に相当する、最後の方で北川景子が半泣きになって犯人や被害者に訴えかける場面。第1話はストレートだったが、第2話はパロディとしてのそれなので、後に来るオチとの落差を作るためのカットであるのがわかる。
おもしろいじゃないかモップ・ガール。真面目で融通の利かなそうなビジュアルと、演技に固さが残る北川景子があの主人公を演じると、正気の裏に見え隠れする狂気を感じさせ、ある種の不気味さを主人公に与えている。ネットで検索をすると北川景子の演技に対しては否定的な意見もあるが、これ以上に自然な演技になってしまうといまの雰囲気を保てなくなるように思う。ヤンキー役に加えて、北川景子にもう一つ得意技ができた。

     壊れている真面目な人

だがこれは演技ではなく北川景子そのものであることを彼女と長い付き合いの我々だけは知っている。第1回のレポでいままで見たことがない北川景子の新しい表情をたくさん見ることができたと書いた。第2回はまた新しい表情がたくさん出てきて、北川景子ファンならずとも実写版ファンには必見のドラマであることに変わりない。
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