北川景子「大女優への道」−映画「サウスバウンド」レポ−

行ってきたよ、雨の中、徒歩20分の市川コルトンプラザまで。公開3日目なのに観客が8人ってどういうことよ。しかも、私の席から一つ空けた隣が小学生3人組でお菓子を食いまくるわ、なにかを落っことすわ、トイレに行くわでうるせえ。チョコレートの銀紙をくしゃくしゃするな。いっぺんに剥いて一気食いしろ。それが若さだ。鼻血を出して保健室に行ってろ。
予告編では「ヒートアイランド」、こちらは北川景子の十八番「ヤンキー娘」。そうか、これの上映館は少ないのかと思ったら市川でもやるのか。ちなみに、市川コルトンプラザでは夜は1回だけなぜか「間宮兄弟」。今月の後半になったら1日に北川景子が3本見られるとか。さて、「サウスバウンド」だが、始めに言っておくと

     北川景子の出番は少ない

なにしろ2時間近い映画で北川景子がスクリーンにいる時間は合わせて10分も無い。また間宮兄弟では、自分たちだけの世界で暮らすピュアな間宮兄弟と、離れたいけど離れられないギトギトの男性関係で苦しむエリカ様たちの間を結ぶ橋渡し役という重要な役だった。このサウスバウンドでは

     北川景子はいなくても物語の進行に支障は無い

くらいのチョイ役だ。存在感を示すのは最後の5分くらい。だが、それでもあえて私はこう言う。

     過去の北川景子出演作品の中で*1いちばん面白かった

原作はたしか小学生の主人公の一人称で書かれていると思った。思ったって、もう忘れちゃったんだよね。読むのも早いが忘れるのも早い。だから最後のどんでん返しというかサプライズもすっかり忘れていて十分に映画を楽しめたよ。
話の中心は、その男の子。その子の目を通してみた元過激派のお父さん(トヨエツ)と、いまいち何を考えているのかわからない同じく元過激派のお母さん(天○祐希)。この二人が実にいい。原作を読んだときの両親のイメージと少し違ったが、この二人を見ると別の人物像が想像できなくなるくらい的確なキャスティングと人物造詣だ。このお父さんはトラブルが大好き。役所の人、家庭訪問の先生、警察、地上げ屋、とにかくあらゆる人に突っかかる。そのときトヨエツの口元に浮かぶうすら笑いがなんともうまい。そしてお母さん役の天○祐希。
映画が始まってしばらくすると、この家族の不思議な距離感がわかるはずだ。お父さんとお母さん、お母さんと子ども、長女の北川景子と両親、この距離感が映画の中盤を過ぎてもつかみきれない。実はここがこの話の肝になっていて、この3つの人間関係の中心になるお母さんの真情を隠しながらラストまで引っ張れるかが、最後のサプライズの成否を握っている。うまい、うますぎるよ、天○祐希と森田監督。
出番は少ないが、北川景子のブサイクメイク、原付の運転、ラストシーンと、物語そのものを楽しみながら北川景子を見れば、ファン必見の映画だと言える。今日の観客の入りだと上映館が減るのは早いぞ。今度の週末はぜひ観に行ってくれたまえ。
最後にエンドロールのスタッフ紹介ですごいのを見つけた。パンフレットにも載っているので転記すると

     ヘアメイク         近藤美香

     ヘアメイク助手       和田奈穂

     ヘアメイク(天○祐希担当) 林 智子      

天○祐希だけ特殊メイクをしていたわけではないよ。ふつうのポニーテールだ。北川景子のヘアースタイルの方がよほど特殊だ。なのに専属のヘアメイクがいる。天○祐希のヘアメイクをしていいのは世界で林智子さんだけとか。エリカ様へ。これが真の女王様だよ。いまは辛抱して早く真の女王様になろう。って、天○祐希は教室の女王様だったね。(つぎの更新は火曜日の夜です。たぶん)