この放送、見られなかったんだよね。どこかにレポが上がってないかと探したが皆無。そりゃそうだ、そんな面倒くさいことをする奇特な人は日本に二人しかいない。イベントのレポのdanteさん、テレビのレポの長茄子さん。長茄子さんが休止中のいまテレビのレポはどこにも上がらないのだよ。しかたない、誰もやらないなら俺がやる。キャシャーンがやらねば誰がやる。ヒッキーはあいつと別れて正解だ。だが、肝心のソースが無い。と思ってたら、こっちよ！隊員が録画していた。
こ、これで．．．放送を見逃した全国の沢井美優ファンのために．．．レポを書いてください．．．（ガクッ）
しっかりしろ〜*1というわけでレポが書けることになったのである。まずはあらすじ。たぶん、いま見てない人はこれからも見ることはないと思うのでネタバレ御免でぜんぶ書いてしまおう。
山道を急ぐ月影兵庫と親分*2。そこへ誰かに追われているという神田の大工の棟梁の娘・お奈津が現われる。これが沢井美優ね。兵庫はお奈津を目的地の三島まで送り届けることになる。奈津は死んだ母親から、自分を生んだ実の母が三島にいると聞かされ、これから会いに行くところだという。もうここまでの展開だけでこの物語のストーリーが3パターンのどれかに絞られてしまうのが時代劇のすごいところだ。まちがっても森の中からお奈津を守る守護獣が現われるなんてことはない*3。神田から三島まで徒歩で行くのだから昔はたいへんだ。この奈津のキャラ、まるで江戸時代に転生した月野うさぎだ。これは沢井美優も演じやすかったのではないか。沢井美優と大工の棟梁の娘、北川景子のヤンキーと並ぶハマリ役と言えよう*4 *5。
沢井美優が登場してから帯に付いてる鈴がチャラチャラうるさい。おまえはセーラールナか。この鈴は生みの母が持たせてくれたもので、母親も同じものを持っているらしい。だが、お奈津が母親に会うと不吉なことが起こるらしい。ああ、なんかどこかで聞いた話だ。だが、ここにはお奈津を邪魔する愛野美奈子やゾイサイトはいない。あっけなく奈津は三島にいる母親の家を探し当てる。なんだよ、まだ放送時間はたっぷりあるのに。この後は巨大ロボットの登場か。ちがう。だが、母親は奈津を追い返す。ここに来るまでにいろいろあって、母親は元腰元で殿様との間に産まれた子供がお奈津。母親は城を追われた後、将来のお家騒動に巻き込まれないため奈津を里子に出す。細かいところは忘れたが、誰かが死んで直系の子どもが奈津だけになり、お奈津を探し出して直系の血筋を守ろうとする派と、反対派の争いになっている。それを関係者から事前に聞いていた母親は娘がそばにいては危険だからと追い返す。だが、母親は奈津をおびき出すために捕らえられる。こんなとこではなかったかな。細部は違っているかもしれないが、この後の展開には影響ないから。ようするに奈津は大工の娘として育てられたけどお姫様だったわけね。どこかで聞いた話だ。むこうでは自分で変身して戦うわけだが、こっちは月影兵庫がいる。
兵庫は、この争いを治めるには奈津が姫として城に入るしかないと諭す。これはシンデレラストーリーなのだが、得るものの大きさより失うものの大きさに悩む奈津。このあたりはすごく現代的だ。昔の時代劇では絶対になかったフォーマットなのではないかな。逆にこのドラマを見ている年配の人は奈津の悩みや苦しみがわかるのだろうか。眠れる森の萌子姫と通じるものがあるね。で、最後は月影兵庫が城に乗り込み反対派をバッタバッタと切り捨てるわけだ。浪人がこんなことをしていいのか。直系派がバックについているからいいのか。ラストはおおぜいの家臣に守られた駕籠が、生みの母が住む農家を見下ろす峠道に着く。中から出てきたのはプリンセスお奈津。鈴を鳴らすと、母親も鈴を取り出して鳴らす。この二人はこれ以上近づくことができない関係であることを、奈津の悲しみに満ちた表情が示す。運命は変えられないのね（完）
でも直系派が実権を握り、奈津が最高権力者になったわけだから母親を城に迎えることだってできるんじゃないの？この国の花はぜんぶ私のものよ。だが、ここで言いたかったのは大工の娘として自由に生きてきた奈津が城に入ることの苦しみなのだろう。さて、沢井美優の演技はさすがにあぶなけがない。ところどころに、うさぎちゃんが垣間見えるが、それは月野うさぎとお奈津が同じキャラだからだ。日本一、金髪のズラが似合う女優・沢井美優。日本髪のズラも日本一かどうかは別にして大丈夫。きれいな人でも似合わない人は恐ろしく似合わない。沢井美優は時代劇もだいじょうぶ。学園物、ヒロイックファンタジー、ホラー、刑事物、おとぎ話、時代劇。こうして振り返ると沢井美優は実にいろいろな役を立派に演じているではないか。これは彼女の財産だ、キャリアだよ。問題は
1年に1本では少ないよ
