70年代アイドルと80年代アイドルの間に昭和50年代アイドルがいたのだ

You○ube、すげえな。正確にはYou○ubeがすごいのではなくて、20年前に石川ひとみがテレビ出演したビデオをまだ持っていて、それをわざわざデジタル化してアップロードしてくれる人がすごいのだけど。おかげで私の石川ひとみコレクションが完成したよ。なにしろ石川ひとみくるみ割り人形からまちぶせまでの間って、まったく売れなかったのだよ。だから歌自体はCDで知っているのだけど、歌っている姿を見たことがほとんどない。「ミス・ファイン」や「ハート通信」の振りが20年目にしてわかったよ。「秋が燃える」の完全版の振りもわかった。「まだよ、まだよ、まだよ」で手のひらを前にして左右に振るのは知っていたけど、2回目の「まだよ」では腕をクロスさせて人差し指を立てるのね*1
ところで石川ひとみをカテゴライズするとき70年代アイドルと呼ぶのが正しいのか、80年代アイドルと呼ぶのが正しいのか。または昭和50年代、60年代という区切りが適切なのか。これは石川ひとみではなく、よりメジャーな人が活躍した時期で決めるべきだろうな。さっそく調べてみた*2。どこまでさかのぼるかだけど、さすがに伊東ゆかり中尾ミエまで行っちゃうと私もわからないので1970代以降にするよ。

     第1期アイドル  小柳ルミ子南沙織天地真理

山口百恵から入ると思った人はまだまだ甘い。南沙織のデビューが1971年だから彼女たちは70年代アイドルと言っていい。次がおなじみのこれだ。

     第2期アイドル  山口百恵桜田淳子森昌子

この3人がセットで語られるけど、森昌子が好きな奴なんて私の周りにはいなかったぞ。山口百恵は1973年がデビュー。そうか、南沙織とわずか2年の差なのか。もっと間があると思ったよ。彼女たちも70年代アイドルだな。この6人はヒットもしたし存在感もあったが、ルックスだけで比べればいまのアイドルの方がはるかに上を行っているよね。また、当時のアイドルは歌手か、または必ず歌を歌ったけど、いまのアイドルは歌は歌わないか、歌ってもあくまで芸の一つ。むしろ、歌一本で行く人はアイドルではなくてアーティストになる。この1970年代の最後を飾ったのが、1976年デビューのピンクレディだね。つまり1970年代は南沙織で始まり山口百恵を経てピンクレディーで終わったわけだ。この次はどうなるかと言うと

     アイドル群雄割拠時代  松田聖子中森明菜小泉今日子etc

松田聖子がまさに1980年、あとは1982年だから、ここから80年代アイドルになるわけだ。この後はもう10年単位のカテゴライズは無理だ。さて、石川ひとみだが、デビューが1978年、まちぶせの大ヒットが1981年なので、西暦による分類に乗りにくい。昭和の年号だと昭和53年にデビュー、昭和56年がまちぶせになる。あえて昭和50年代アイドルと呼びたいところだ。同じく昭和50年代アイドルを探してみよう。

     木之内みどり・・・昭和49年デビュー、昭和53年引退

     林寛子・・・昭和49年デビュー、昭和55年結婚

     太田裕美・・・昭和49年デビュー、昭和60年結婚

     キャンディーズ・・・昭和48年デビュー、昭和53年引退

なんだよ、みんなデビューは昭和40年代じゃんか。それなら西暦の分類のがしっくり行くだろうと思うなかれ。この人たちはデビュー曲はまったくヒットしてないのだ*3。昭和50年の幕開けとともに人気者になって昭和50年代前半を駆け抜け、それぞれの事情で消えていった人たちだ。だが、70年代アイドルや80年代アイドルに比べて、昭和50年代アイドルはなにか陰があるような気がするぞ。
なお、このアイドルの変遷の裏には業界を牛耳っていた渡辺プロダクションと新興勢力の戦いとか、ニューミュージック系作曲家の参入とか、ファン層の低年齢化+高年齢化とか、露出媒体の多様化とか、音楽のデジタル化とか、カラオケの普及とか、まさに日本の大衆文化史があるわけだが、思いつきで論じるには重たすぎるので、ここまでにする。誰か続きをやって!

*1:こんな話、だれもわからないって

*2:こういうことは早い。仕事は遅いけど

*3:木之内みどり林寛子は特別なヒット曲があったわけではないが